ビートルズの「新曲」、AIで実現--ポール・マッカートニーさん語る

Gael Fashingbauer Cooper (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 高森郁哉 (ガリレオ)2023年06月14日 11時02分

 ビートルズの曲で歌われているように「All You Need Is Love」(直訳すると「必要なのは愛だけ」)だが、人工知能(AI)がささやかな助けになることもある。同バンドのメンバーだったPaul McCartneyさんは英国で現地時間6月13日、BBC Radio 4に出演し、AIを使って古いデモテープから故John Lennonさんの声を抽出し、「ビートルズの最後のレコード」を制作したと語った。McCartneyさんは曲名を明かさなかったが、BBCは「Lennonが1978年に作った『Now and Then』である可能性が高い」と報じている。

Paul McCartneyさん
Paul McCartneyさん
提供:Harry Durrant/Getty Images

 「ちょうど作業を終えたところで、今年中にリリースされる予定だ」(McCartneyさん)

 McCartneyさんは1994年、Lennonさんの妻だったオノ・ヨーコさんから「For Paul」(ポールへ)と書かれたカセットのデモテープを受け取った。それは、Lennonさんが1980年に殺害される少し前に録音した数曲のうちの1曲だった。BBCによると、Lennonさんはニューヨークのマンハッタンにある高級アパートメント「The Dakota」の自室で、ピアノの前に座り、大型ラジカセにこの「低音質で生まれたて」の曲を数回録音したという。

 ビートルズの残されたメンバーは1990年代半ばにこのデモ音源を使って曲を録音しようとしたが、McCartneyさんが英音楽誌「Q」に語ったところによると、メンバーのGeorge HarrisonさんがLennonさんのボーカルの音質が悪いという理由で反対したという。このデモ音源にはまた、住環境からの継続的な雑音が残っていたと伝えられている。

 「あまりいいタイトルではなかったし、少し手直しも必要だったが、美しい詞があり、それをJohnが歌っていたんだ」と、McCartneyさんはQ誌に語った。

 McCartneyさんによると、Lennonさんのボーカルを伴奏の楽器の音から分離して音質を鮮明にする作業に、AIのプログラムが使われたという。このプロジェクトは、McCartneyさんが「ロード・オブ・ザ・リング」のPeter Jackson監督と協力して制作した2021年のドキュメンタリーシリーズ「ザ・ビートルズ:Get Back」から着想を得たという。

 McCartneyさんはBBC Radio 4で、Jackson氏が「質が悪いちっぽけなカセットからJohnの声を救い出す」ことができたと語った。「Johnの声とピアノが入っていたが、彼はAIを使ってそれらを分離できた。機械に『これが声で、こっちはギターだ。ギターをなくしてくれ』と指示するんだ」

 この曲の発売日については明言しなかった。

 McCartneyさんは、AIについて多少警戒していることも認めた。

 「私はそれほどインターネットを使っていないが、この先、『そうそう、Johnが私の曲を歌っているトラックがありますよ』と言われて、それがただのAIということがあるかも」「少し怖いが、ワクワクもする。それが未来だからだ。行く先はどこなのか、私たちは見守るしかない」(McCartneyさん)

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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