味の素は5月31日、日本電信電話(NTT)と生活者のWell-beingの向上と健康寿命の延伸を実現させる仕組み作りの協業について、基本合意書を締結したと発表した。
近年、食生活の欧米化などに伴い、生活習慣病の増加が懸念されているという。現在の日本国内における生活習慣病の患者数については、糖尿病が約230万人、脂質異常症が約150万人、高血圧性疾患が約600万人に上ると推計。
このような状況から、健康な人の間でも、生活習慣病予防のために食習慣を改善する意識が高まっている。
しかし、取り組みやすく、継続できる行動変容のためには、生活者個人に寄り添い、食の歓びを伴った食習慣の提案が必要だという。
そこで両社は、2030年以降の未来社会の食と健康価値の創造に向け、NTTのデジタルツインコンピューティングや行動変容などのIOWN関連技術、同社の食と健康を科学するアミノサイエンスなどの技術開発力を組み合わせた取り組みを開始する。
不調や疾病リスクの早期発見と、無理のない食習慣改善による予防をパーソナルにサポートし、Well-beingの向上と健康寿命の延伸を目指す。
具体的には、健康でいるための運動、睡眠、食事行動を自然に実践できるようにするためのサイクルを両社の技術・ノウハウを組み合わせて構築。
例えば、パーソナル要因に基づいた食行動と生活習慣病リスク低減の関連性に関する研究として、ウェアラブルセンサで血糖値プロファイルなどを取得する際に、共に食事内容の記録などのデータを取得。
さらに、種々のバイタルデータとも合わせ分析することにより、パーソナル要因に基づいた食行動と生活習慣病リスク低減の関連性を見える化。見出した関連性に基づいたレコメンドによる改善効果を実証する。
また、生活者の食の嗜好や価値観、食事内容の記録などのデータをもとに、生活者の状況に応じたレコメンドを行い、食に関する行動変容、満足度向上に繋げていくための仕組みを「食のWell-beingモデル」と定義。
NTTデータが持つ食と健康のパーソナライゼーションを支援するAI技術や検証基盤を活用し、食とWell-beingの関連性の解明やモデル構築を行い、食を通じた日々の生活のWell-beingを高める仕組みを検討するという。
同本取り組みで得られた知見については、デジタルツインコンピューティングなど組み込み、サービスプラットフォームとしての社会実装を目指す。
加えて、サステナビリティの実現に向けて、誰もが心身ともに健康になれる地球にやさしい未来社会の創造に取り組むという。
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