Sansan、法人カードに参入--「Bill One」がもたらす月次決算を加速させる機能に競争力

 Sansanは5月30日、インボイス管理サービス「Bill One」のオプションサービスとなる、「Bill Oneビジネスカード」を、6月1日から提供開始すると発表。決済領域に参入する。

 Bill Oneビジネスカードは、同社が培ってきたデータ化技術を生かした法人カードで、Bill Oneを契約しているユーザーであれば、初期費用や年会費、発行手数料が無料で利用可能。バーチャルカードとリアルカードが用意され、カード発行枚数の上限はなし。1カ月あたりの利用限度額は、最大1億円としている。

バーチャルカードとリアルカードが用意
バーチャルカードとリアルカードが用意

 Bill Oneビジネスカードを活用することで、カード利用明細と証憑の自動照合が可能。Bill Oneにアップロードされた証憑は、翌営業日中にデータ化。カード利用明細の金額と合致しない場合はアラート表示がされる。これにより、これまで経理担当者が目視で行っていた照合作業を効率化できるという。また、カードの利用後は利用者に対してBill Oneから自動で証憑アップロード依頼が届くため、経理担当者が都度利用者に証憑提出のリマインドを行う必要もないという。

デジタル化による業務効率化
デジタル化による業務効率化

 また、10月のインボイス制度開始までに、カード利用後に受け取った証憑が適格請求書かを確認できる機能を実装予定。手間のかかるインボイス制度への対応工数を、削減できるという。ほかにも、カード利用後に提出された証憑は、電子帳簿保存法の要件を満たした形で保存される。

インボイス制度、電子帳簿保存法に対応
インボイス制度、電子帳簿保存法に対応

 さらに不正利用リスクへの対応として、利用するカードごとに利用上限額や利用可能期間の制限、特定のジャンルの利用先の排除を行うことも可能。発行した全てのカードの利用状況はリアルタイムでBill One上に連携されるという。

不正利用リスクを低減
不正利用リスクを低減

 Bill Oneビジネスカードの発表にあわせて、同社では説明会を実施。登壇したSansan 執行役員/Bill One Unit ゼネラルマネジャーの大西勝也氏は、同社が行った調査で、法人カードでの決済機会について、増えたと感じていると回答したのが約半数と増加傾向にあることを説明。その一方で、請求書よりも処理が簡単そうに見えるが、実際には証憑の回収や、利用明細との照合などに時間を要するなど管理側の課題があることを指摘。加えて、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応、不正利用リスクへの対応と、“三重苦”を表現するような状況があることを背景に、その課題解決としてBill Oneビジネスカードが開発されことを語る。

法人カードの利用は増加傾向
法人カードの利用は増加傾向
法人カードにおける課題
法人カードにおける課題
法人カード業務の三重苦
法人カード業務の三重苦

 ビジネスモデルについては、主に証憑のデータ化に対しての料金と、カード利用手数料と説明。Bill Oneはデータ化する請求書の枚数に応じて料金が決まるビジネスモデルとなっており、カードの証憑も同様に、枚数に応じた料金がかかる形としている。

 Bill Oneビジネスカードについては、すでに200社が導入を表明しているとし、これらの企業が、Bill Oneビジネスカードを活用して1カ月に利用する金額を6億円と想定。今後1年後には月額50億円、年間600億円の利用額を目指すという。あわせてBill One事業については、2024年5月期末に60億円以上のARR(年間経常収益)を目指すと語った。

 Sansan 代表取締役社長/CEOの寺田親弘氏は質疑応答のなかで、すでに各社が決済領域に参入しさまざまな法人カードが展開されている状況下で、Bill Oneビジネスカードをリリースすることについて、今までクレジットカードを使いたくても使えなかった企業が、Bill Oneのカードであれば活用できるという判断をされたことに手応えを感じていると語る。前述した三重苦の課題解決として、Bill Oneがもたらす月次決算を加速させる機能のひとつのようにして活用できることが競争力になっているとした。

Sansan 代表取締役社長/CEOの寺田親弘氏(左)と、同執行役員/Bill One Unit ゼネラルマネジャーの大西勝也氏
Sansan 代表取締役社長/CEOの寺田親弘氏(左)と、同執行役員/Bill One Unit ゼネラルマネジャーの大西勝也氏

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