東急は5月17日、定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi」を、正式に事業化すると発表した。旅先や宿泊施設選びなどの相談ができるAIコンシェルジュ機能を用意したほか、フルカスタマイズで提供する、法人向けプランをそろえる。
TsugiTsugiは、東急の「社内起業家育成制度」から生まれたサービス。全国100以上の宿泊施設から好きな場所を選び定額で宿泊できるサービスで、2021年4月から計4回の実証実験を経て、正式事業化にこぎつけた。東急 ホスピタリティ事業部事業戦略グループ主査の川元一峰氏は「宿泊施設はコロナ禍における低価格化により稼働優先の視線からADR(Average Daily Rate/客室平均単価)引き上げ優先の視線へと転換期を迎えている。しかし宿泊施設は、曜日や季節などにより未稼働客室が生じてしまう。こうした課題を抱える中、TsugiTsugiは、オフピーク時の送客を実施するほか、日〜木曜日の宿泊割合が高いこと、直前予約のお客様が多くリードタイムが短いことなどの特徴を持ち、宿泊施設の方に対し、独自の価値を提供できる」と強みを話した。
正式事業化にあわせ、個人向けプランに「えらべる2」(2泊/30日間、税込価格:2万3980円)を追加。「実証実験では、ユーザーにインタビューやアンケートを実施しているが『もっとライトに始められるプランが欲しい』という声に応える形で実装したもの。TsugiTsugiでは顧客とともに作るサービスになっている」(川元氏)と背景を明かす。
同時に新機能としてリリースしたAIコンシェルジュは、ChatGPTの技術を活用し、4種類のAIキャラクターが旅先や宿泊施設のおすすめを提案してくれるサービス。浮世絵イラストレーターのNAGA氏がキャラクターなどのキービジュアルを描き下ろしたという。今後もユーザーの声を反映しながらサービスを改善していく計画で、この機能は無料会員登録後であれば、誰でも利用できる。
1〜3月にかけて実施した実証実験を経て開始する法人プランは、法人で泊数を一括購入し、購入した泊数を従業員で共有することができるというもの。管理アカウントからサブアカウントを作成でき、アカウントごとの泊数管理など、従業員ごとの利用ニーズに合わせ活用できることが特徴だ。全国650カ所以上のシェアオフィスが利用可能な日経のシェアオフィスサービス「OFFICE PASS(オフィスパス)」とも組み合わせられる。
会員向けとしてPeach Aviationによる運賃1000円クーポンを付与するほか、DeNA SOMPO Mobilityが提供するカーシェアアプリ「Anyca(エニカ)」の初回利用時 3500円オフクーポンなど、限定優待も用意。旅する暮らしをサポートする。
現在、会員数は2万人で「えらべる5」プランの利用者が全体の6〜7割を占めるとのこと。「えらべる5を入口にして、使いこなせそうだったら『えらべる14』にグレードアップするなど、入口として非常にいいプランができた。一方で、5日間使い切るのは大変だったというお客様もいたため、えらべる2を新投入している」(川元氏)と利用状況を説明した。
今後については「3カ年での黒字化を目標にしている。今後も多くのお客様の声を聞きながら、サービスを作り続け、愛されるサービスを目指す」(川元氏)とした。
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