Nianticの新アプリ「Peridot」を試す--ARとショッピングの未来を示すペットゲーム - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年05月12日 07時30分

 このペットには、性格に関する面で人工知能(AI)も組み込まれている。ただし、「ChatGPT」ほど大掛かりなものではない。少なくとも現時点では、そうなっていない。Nianticは、このようなAIを取り入れたARコンパニオンが今後さらに強化されていく可能性があることを認めている。Snapは先頃、自社のアプリ「Snapchat」に独自のAIチャットアシスタントを追加した。Peridotは決してAIチャットアシスタントではないが、将来的にそうなる可能性はあるのだろうか。

興味深い「Amazon Anywhere」の登場

 それから、商売に関する面がある。ここから、話が少し奇妙になってくる。このペットゲームでは、「Amazon Anywhere」と呼ばれるAmazonの新しいサービスが初めて採用されており、Peridotの実体のある関連商品を販売するストアが組み込まれている。現在のところ、このストアの目的は、AmazonアカウントをPeridotアプリにリンクさせて、その商品を販売することだけのように思える(ユーザーが実際にアプリ内で買おうと思うのだろうか)。だが、Amazonは、このサービスが他のゲームやAR内での没入型ショッピングへの足がかりになる可能性があると考えている。

 ARは、小売分野ですでに積極的に使用されており、メガネの試着や仮想の家具ショールームなど、さまざまな用途に活用されている。SnapやAppleなどは、ショッピングアプリやファッションアプリにおいて、さまざまな細かい方法ですでにARを利用している。Amazonもここで似たような手法を模索しているが、現在のところは、小さな規模にとどまっている。Amazonは独自のARメガネを(まだ)提供していないが、Amazon Anywhereがこの一見純粋なPeridotアプリ内でデビューしたというのは、気になる動きだ。

 もちろん、Nianticも独自のゲーム内購入機能を通して、バーチャルペット用の仮想の服やおもちゃを販売しており、新しいPeridotペットを孵化させるのにも料金が発生する。無料でプレイできる他のゲームと同様、Peridotもオプションの少額課金アイテムが満載だ。Amazon Anywhereで追加されるグッズストアは、現時点では、Nianticの仮想商品販売と重複していないが、将来的に重なってくる可能性はあるのだろうか。Amazonは現在のところ、実体のあるものの小売りを重視している。だが、ARは流動的で急速に変化する分野のため、これからどのように進化していくのかは誰にも分からない。

 Amazonとの提携や少額課金アイテムはさておき、Peridotがとてもかわいらしい無料のペットゲームであることは確かだ。しかし、それ以外の潜在的な可能性や、PeridotがMRヘッドセットに登場する可能性については、今後の成り行きを見守るしかない。筆者は、Amazon Anywhereが次にどこに出現するのかということが、気になっている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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