ヘルスケア・スタートアップであるiMUは5月9日、京セラと「歩行解析計 iMU One」の国内における総販売店取引基本契約を4月12日に締結したと発表した。京セラは、5月11日より同システムの販売を開始する。
同社は、慶應義塾大学医学部整形外科学教室バイオメカニクス研究室の研究成果を社会実装するために設立されたヘルスケア・スタートアップ。
変形性膝関節症の予後を反映するとされる「膝関節内反モーメント(Knee Adduction Moment:KAM)」を利用することにより、変形性膝関節症のリスク予測や、リハビリ・日常生活における患者のQOL向上のためのアドバイス提供を目指している。
2022年に、独自AI搭載の専用ソフトウェアを用いて、歩行の加速度データから膝関節内反モーメントを推測するシステム歩行解析計 iMU Oneを製品化。医療機器製造販売届出を完了している。
従来、KAMを計測するには、モーションキャプチャと床反力計が必要であったため、限られた施設でしか計測できなかったという。
しかし、同システムを利用することにより、5mほど歩くだけで、歩行時の膝への負担を解析でき、膝への負担を数値で可視化できる。
近年の変形性膝関節症の国内推定患者数は約2530万人といわれ、病態進行過程での早期のアプローチや、進行ステージに合わせた適切な治療方法を定量的なデータを用いて提案することが求められているという。
両社は、変形性膝関節症の治療に関して「早期アプローチの重要性」と「予防医療の段階から治療に貢献したい」という共通の考えをもつことから、同社の歩行解析システムを京セラの販売網を活用して広めていくため、今回の協業に至ったという。
両社は今後、歩行解析計 iMU Oneの販売を通して、膝の痛みに悩む患者、治療に携わる医療事業者への貢献を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」