Appleは、健康とウェルネス関連の新たな取り組みとして、人工知能(AI)を活用して運動、食事、睡眠を改善することを目的とした、ユーザーのやる気を引き出すコーチングサービスを開発しているという。
Bloombergが米国時間4月25日に報じたところによると、「Quartz」というコードネームで呼ばれるこのサービスは、AIと、同社の「Apple Watch」から収集されたデータを活用して、ユーザーに対する具体的なウェルネスプランを作成するという。これは、同社のAIによって、栄養、フィットネス、睡眠に関するアドバイスが提案される可能性を意味しており、理論上は、ウェアラブルデバイスによって何年も前から提供されている高精度なヘルスデータから、それほど大きくかけ離れたものではないように思われる。
Quartzは、2024年に向けて計画されているが、延期や中止の可能性もまだ残っているという。利用には月額料金が必要になるとも報じられている。
それでもAIによる健康コーチングは、Appleにとって大きな一歩になるものだ。同社は、排卵日予測や睡眠追跡などのヘルスケアツールをApple Watchに搭載して、ヘルスケア領域での存在感を高めている。Bloombergによれば、Appleは、「iPad」向けのヘルスケアアプリを「iPadOS 17」の一部として2023年内に発表する計画だという。このアプリによって、患者と医師の間で健康情報が共有しやすくなる可能性がある。これは、同社のウェルネス関連の取り組みの重点テーマだ。
視力と感情を追跡するツールも、2023年にこのヘルスケアアプリに追加される予定だという。この感情追跡ツールでは、毎日の気分を記録し、日々の疑問に対する回答を得たり、時間に伴う変化を比較できたりする可能性がある。これは、Appleが開発中と報じられているジャーナル(日記)アプリとは異なるものになるようだ。
さらに同社が何年も前から開発中の非侵襲性の血糖値モニターでも進展が見られるという。非侵襲性の血糖値モニターとは、指に針を刺す代わりにセンサーで血糖値を測定するものだ。この種の血糖値センサーは、Abbott Laboratoriesなどの企業が活用しており、ウェルネス業界の注目を集めている。
視力と感情のツールは、「iPad」向けの新たなヘルスケアアプリとともに、6月の「Worldwide Developers Conference」(WWDC)で発表される見込みだという。
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