楽天モバイルは4月19日、新たなプラチナバンドとして浮上した700MHz帯の3MHzシステムについて「早期の割り当てを希望する」と発表した。また、総務省に対して2023年9月までの割り当てを希望していることも明らかとなった。
700MHz帯は、障害物の裏側に回り込みやすく、屋内にも浸透しやすい「プラチナバンド」の1つだ。これまで、地上デジタル放送や特定ラジオマイクとの干渉が懸念されて利用されてこなかったが、4月18日の総務省の情報通信審議会で、適切な対策を取れば携帯サービスに利用可能との結論が出た。
楽天の声明はこれを受けたものだ。同帯域を4Gで利用した場合、通信速度は理論値で下り最大30Mbps、上り11Mbpsが見込まれている。
なお、同帯域に関してはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクも検討中とするものの獲得に名乗りを上げた。ユースケースについてドコモは「4G周波数を5G化したエリアへの4G容量ひっ迫影響の緩和、IoTサービス提供への活用」、KDDIは「当社は700MHz帯のNR化に取り組んでおり、同帯域はNRエリアのカバレッジ充実に有効」ソフトバンクは「既存の700MHz帯と一体的にNRエリアのカバレッジ用途として活用する」と回答した。
携帯4社のうち、プラチナバンドを保有していないのは楽天モバイルだけであり、他の3社に比べてエリア構築で不利な立場にある。このため、総務省は割り当てにおいて楽天モバイルに有利な判断を下す可能性がある。
総務大臣の松本剛明氏は4月18日の会見で、新プラチナバンドについて「2023年秋頃の割り当てを目指す」と回答している。
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