プロジェクトは5分で即決--「Monster Hunter Now」発表会で語られた概要や協業の背景

 Nianticとカプコンは4月18日、新作モバイルアプリ「Monster Hunter Now」について、9月からサービスを開始すると発表し、同日に東京都内にて発表会を実施。Niantic 創業者兼CEOのジョン・ハンケ氏や、カプコン 取締役専務執行役員で「モンスターハンター」シリーズのプロデューサーを務める辻本良三氏らが登壇。本作の概要や両社がタッグを組んだ経緯などについて語った。

発表会では関係者が登壇し、協業の経緯や本作の概要が語られた
発表会では関係者が登壇し、協業の経緯や本作の概要が語られた

 「Monster Hunter Now」は、カプコンが展開しているハンティングゲーム「モンスターハンター」シリーズをテーマに、プレイヤーはハンターとなって現実世界に登場するモンスターを狩るという、その世界観を体験できるモバイルアプリ。カプコンからライセンスを受けたNianticが配信元としてリリースする。Nianticは、「Ingress Prime」や「ポケモンGO」をはじめてとして、位置情報を活用したゲームをグローバルで展開していることでも知られている。

 登壇したハンケ氏は、このプロジェクトは4年前となる2019年3月に、Niantic側からカプコンに話を持ちかけたところから始まったと振り返る。その背景として、後の質疑応答のなかで「私の息子がニンテンドー3DSを壊しかけるぐらいに、モンハンをやりこんでいたから(笑)」と笑いを誘う一幕もありつつ、Nianticのスタッフからモンスターハンターシリーズが、Nianticが持つ理念と相性が良いことを熱心に説かれ、その情熱を信じたことを挙げた。

Niantic 創業者兼CEOのジョン・ハンケ氏
Niantic 創業者兼CEOのジョン・ハンケ氏

 Nianticとしては“現実世界で遊ぶこと”というテーマにフィットしていること、またパートナーと協業するときは、人とのつながりを生み育むという共通の哲学を持って制作したいと考えているという。「モンスターハンター」は、友達や家族、新しい友達を作りながら20年もの間愛されているシリーズであり、この哲学を体現しているタイトルであることを語る。

 実際にハンケ氏自らカプコンに出向き提案したところ、その日のうちに辻本氏から前向きな返事があったこと、そしてここまでスムーズに話が進むことは、ビジネスにおいてなかなかないことで驚いたことを振り返る。

 また本作は、Nianticが日本で立ち上げた東京スタジオの2番目となるタイトルであることに触れ、Nianticとしていかに日本を大切に思っているかということを象徴するものとも付け加えた。

 一方の辻本氏は、このプロジェクトについて“5分で決まった”と表現するほど即決だったと振り返る。その背景として、長年シリーズを展開するなかで、位置情報を使ったゲームを遊びたいという要望が多かったこと、辻本氏もそういったゲームを制作したいという思いを持ちつつ、やるならばNianticと一緒にやりたいという意向を持っていたうえで、協業の提案があったからと説明する。

カプコン 取締役専務執行役員で「モンスターハンター」シリーズのプロデューサーを務める辻本良三氏
カプコン 取締役専務執行役員で「モンスターハンター」シリーズのプロデューサーを務める辻本良三氏

 辻本氏は、これまでもモンスターハンターは“コミュニケーション×アクション”を大事にシリーズ展開をしてきたことに触れ、本作についてもテーマとコンセプトにしっかり合致したタイトルであることや、現実世界とモンスターハンターの世界が融合した、全く新しい体験が得られることを説明。カプコンとしても開発にはかなり協力していることも加えた。

モンスターハンターシリーズのテーマやコンセプトについて
モンスターハンターシリーズのテーマやコンセプトについて

 本作のゲームディレクターを努める菅野千尋氏は、プレイヤーはハンターとなってオトモ(※プレーヤーをサポートする存在)とともに探索、出会ったモンスターを狩り、素材を集めて装備を強くするという流れや、みんなと力をあわせて強いモンスターに挑むという、モンスターハンターシリーズが持つゲーム体験は健在であるとしつつ、現実世界でハンターライフの体験できるという、新しいスタイルのモンスターハンターであると語る。生活している地域がモンスターハンターの森林や沼地に変化しているほか、場所によってモンスターや入手できる資源も異なるなど、コンセプトとして“モンスターハンターの世界が私たちの住む現実世界にやってきた”ということ、そしてその融合した世界観が本作の独自性であることを説明した。

ゲームディレクターを努める菅野千尋氏
ゲームディレクターを努める菅野千尋氏
基本的なゲームプレイについて
基本的なゲームプレイについて

 さまざまなプレイヤーにハンターとして楽しんでもらうため、そして狩りの奥深さとモバイルゲームならではの手軽さを実現するために、タップ&フリックを中心としたシンプルな操作で、片手でもハンティングアクションができるようにしているほか、外でも立ち止まってプレイができるように、狩りにかかる時間を最大75秒に設定するなど、濃密な狩猟体験を手軽に味わえるようにしたという。あわせて、“一狩り行こうぜ!”のキャッチフレーズに代表されるマルチプレイについても、位置情報データを活用することにより、自身の近くにいるハンターと即座にマッチングをして一緒に楽しむことができるとしている。

 本作における新しい要素として、ペイントボールというアイテムを使用した機能も紹介された。お出かけしたときに見つけたモンスターに、ペイントボールを使用してマーキングし、“お持ち帰り”のような状態で家に帰ってから、一人ないしは、家族や友達と狩ることができるというもの。さらにアプリを立ち上げなくても、外出して歩いているときにモンスターとすれ違うと、自動的に使ってくれるという。

ペイントボールのイメージ
ペイントボールのイメージ

 このほか関係者による質疑応答では、登場するモンスターについて、現状オリジナルモンスターは予定しておらず、基本的にはシリーズにおける既存のモンスターになると説明。一方で、長期的な運営を見据えていることから、将来的にはオリジナルモンスターについても可能性はゼロではないとのこと。種類(数)についても明言はしなかったが、アップデートにより徐々に増やしていく予定で、モンスターハンターシリーズで一番多くのモンスターが登場するタイトルとすることを願望として挙げていた。

 なお、サービス開始に先立ち、クローズドベータテストを4月25日から開始予定。招待制となっており、公式サイトから登録が可能となっている。

(C)2023 Niantic. Characters / Artwork/ Music (C)CAPCOM CO., LTD.

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]