生成系(ジェネレーティブ)AIモデルという急成長中の分野に、新たな選択肢が近いうちに追加される。Alibaba Cloudは4月11日、「Tongyi Qianwen」(通義千問)という、「ChatGPT」に似たAI製品を発表した。同社は、中国語と英語の両方に対応するこの製品を、中国のEコマース大手、阿里巴巴(アリババ)のさまざまなビジネスアプリケーションに近い将来展開する計画だ。
このAIモデルは、顧客と開発者にも提供される予定で、個々のニーズに合わせてカスタマイズされた大規模言語モデル(LLM)が構築できるようになると、同社は声明で述べた。
OpenAIが2022年11月にChatGPTを公開したことで、生成系AIは一躍世間の注目を集めた。ChatGPTは、高性能なAIエンジンに基づくチャットボットで、ソフトウェアの記述、会話、詩の作成などが可能だ。Microsoftは、ChatGPTの技術基盤である「GPT-4」を採用して、「Bing」の検索結果を強化し、電子メール作成のヒントを示し、プレゼンテーションの作成を支援している。
その後、この画期的な進展を利用して利益を上げようとする、ビッグテック各社の動きが活発化した。Microsoftは、OpenAIとの提携を拡大して数十億ドルの追加出資を行い、ChatGPTの技術をBing検索に組み込むことを発表した。これを受けて、世界で最も利用されている検索エンジンを開発するGoogleは、「Bard」というChatGPTに対抗するチャットボットを発表した。
しかし、すべてのAIチャットボットが同じというわけではない。米CNETは、これらの初期の生成系AIモデルを試験し、どれが最も使いやすいかを判定するためにその回答を比較した。米CNETのImad Khan記者によると、最も良い結果を返したのはChatGPTで、Bingや特にBardと比べて、より人間らしく感じる回答を生成したという。
アリババのAIモデルはまず、アリババの職場コラボレーションソフトウェア「DingTalk」とスマートスピーカー「Tmall Genie」(天猫精霊)に組み込まれる予定だという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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