Appleは米国時間3月28日、同社初の後払い決済(Buy Now Pay Later:BNPL)サービス「Apple Pay Later」(Apple Payで後払い)を米国で提供開始した。ただし現時点では、一部のユーザーのみが対象だ。同サービスにより、「iPhone」ユーザーは「Apple Pay」による支払いを、6週間で4回の均等払いに分割できるようになる。
Apple Pay Laterは、iPhoneの「ウォレット」アプリ内で「Apple Card」や「Apple Cash」などの決済機能とともに提供される。同社によると、Apple Pay Laterでローン申請できる金額は50〜1000ドル(約6500円~13万円)。審査に通ればその金額を、iPhoneまたは「iPad」のオンライン決済やアプリ内決済に使用できる。Apple Pay Laterのローンの状況は、ウォレットアプリ内で追跡・管理でき、次の支払い日の前にアプリ内と電子メールで通知される。
「Apple Pay Laterは、ユーザーの財政状況を考慮して設計されているため、手数料や利子はない。ウォレット内で利用し、管理できるため、消費者は情報に基づき、責任を持ったローンの利用を決断しやすくなる」と、Apple PayおよびApple Wallet担当バイスプレジデントのJennifer Bailey氏は声明で述べた。
Appleは、1年近く前の2022年6月に開催されたWorldwide Developers Conference(WWDC)でApple Pay Laterを発表し、「iOS 16」で提供すると述べていた。しかし、この決済機能は、iOS 16の最初のリリースには含まれておらず、27日にリリースされた「iOS 16.4」と「iPadOS 16.4」で一部のユーザーに提供された。
BNPLは近年利用が高まっており、GlobalDataによると、2021年には利用金額が1200億ドル(約15兆7000億円)に上ったという。PayPal、Amazon、Affirm、Klarna、Afterpayなどの企業や、一部のクレジットカード発行会社が、同サービスを提供している。BNPLは柔軟性が高いが、消費者が浪費して負債を累積させてしまうケースが起きやすいといったリスクも伴うことが、一部の金融専門家らによって警告されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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