「ラブライブ!」ニジガク「QU4RTZ」ユニットライブで感じた“ハーモニーが生み出すふわふわな空間” - (page 2)

 今度はアコースティックアレンジされた楽曲を2曲披露。ステージには椅子が用意され、そこに腰掛ける形で歌われた。TVアニメ1期オープニングテーマのアレンジバージョンである「虹色Passions!(アコースティックver.)」のあと、TVアニメ1期13話挿入歌のアレンジバージョンとなる「夢がここからはじまるよ(アコースティックver.)」は、DAY.1で披露されていなかったこともあって、イントロが流れると大きなどよめきが。そんななかでも伸びやかにハーモニーを響かせ、会場もコンサートライトを振りつつも静かに聴き入っていた。曲終わりには椅子から立って歌い、そのまま「ミチノサキ」で、一緒に手を振ったり、“道の先”を示すような指を指す振り付けをしながら歌っていた。

近江彼方役の鬼頭明里さん(「Silent Blaze」)
近江彼方役の鬼頭明里さん(「Silent Blaze」)

 ステージには相良さんと鬼頭さんが残ってトークを展開。「夢がここからはじまるよ(アコースティックver.)」のエピソードとして、ライブにおける声出しが解禁となった一方で、歓声で盛り上がるというよりはQU4RTZの特徴はハーモニーということで、DAY.1で披露された「未来ハーモニー(アコースティックver.)」のハモを、以前披露したときよりも増やしたという。それに加えて、サプライズとして違う曲を用意したいと考えていたところ、指出さんの要望によって決まったことを明かした。

 再度ソロ曲が披露されるパートに。田中さんによる璃奈の「First Love Again」では、切なさを感じさせるバラード曲で、時にはステージの床に座るところもありつつ、歌の世界観を丁寧に表現。指出さんによるエマの「いつだってfor you!」では、メイド風衣装をまとって、メイドをテーマにした楽曲を、可愛らしい振り付けを見せながらパフォーマンス。相良さんによるかすみの「TO BE YOURSELF」では、魔法使い風の衣装をまとい、戦う魔法少女がイメージされるようなカッコよさを押し出した楽曲を披露。鬼頭さんは彼方の「Silent Blaze」で、“くノ一”をイメージした映像やバトルものがイメージされる、疾走感あふれる楽曲を歌っていた。

 幕間映像の続きが上映され、ライブに向けて意気込むメンバー4人の姿を描く。そして2度目の「PASTEL」披露に。最新シングルである3rdシングルの表題曲であり、同曲のジャケットイラストや、ユニットライブのキービジュアルでもメンバーが着用しているパステルカラーの衣装をまとってパフォーマンス。ステージには風船で浮かぶ気球をイメージさせるセットが設けられ、リフトアップで空を飛んでいるような演出を盛り込みつつ、清涼感のあるステージを届けていた。

 四季を描いた「4 SEASONS」では、“ラララ”のフレーズで手を横に振り一体感を生み出す。「Swinging!」では、ブランコに乗りながら“Swinging”のフレーズで腕を振ったりしながらハーモニーを奏でる。「Beautiful Moonlight」は大人な雰囲気を醸し出すステージという流れでパフォーマンスを行った。

 告知コーナーではユニットライブの映像商品である「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! Blu-ray Memorial BOX」などを発表。終盤の挨拶として、まず田中さんは“璃奈ちゃんボード”を取り出し、璃奈として挨拶。そこではかすみの特徴的な「みなさーん!」を真似るような挨拶をしたことから、このあとはメンバーとしての挨拶も真似たものに。また田中さんは、高咲 侑役の矢野妃菜喜さんから個別にメッセージが届いたことを喜んで話したところ、ほかの3人にも届いていたようで固まってしまう一幕も。そんななかでも、楽しんでもらえるように気合いを入れて頑張ったこと、この先もファンミツアー(「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 にじたび! TOKIMEKI FAN MEETING TOUR」)で会える機会があることに触れ、さらなる応援をお願いしていた。

天王寺璃奈役の田中ちえ美さん(「First Love Again」)
天王寺璃奈役の田中ちえ美さん(「First Love Again」)

 指出さんはほかのユニットライブも現地で見ていたことを明かし、だからこそQU4RTZのステージに活かせたところがあり、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のQU4RTZを強く実感していると語る。そして、QU4RTZらしさに向き合って作り上げてきたからこそ、盛り上がってくれたこと、歓声がたくさん聞けたことの喜びと感謝の言葉を送っていた。

 鬼頭さんもほかのユニットライブは現地や配信で見ていたことに触れ、ユニットライブだからこそできる表現など、新たな発見があったこと、ユニットライブの良さがあったと振り返る。そのことを踏まえつつ、また全員でライブがしたいという気持ちにもなったという。そして、ユニットとしての成長ができたとともに、全員でライブすることの気持ちが高まったライブと語っていた。

 相良さんは、“本家”とも言えるかすみとしての“かわいいアピール”をふんだんに盛り込んだ挨拶をしつつ、相良さん自身としては、ニジガクフルメンバーでのライブ以上に、ステージに立っている時間が長いこともあって、みんなと一緒に作り上げてきた感覚が強くあるという。それゆえ、ユニットライブとしての2ndを願望をする一幕も。そして、ステージでパフォーマンスをすることによってQU4RTZらしさがより生まれてきたこと、QU4RTZとしての挑戦をしてみたい気持ちになったと語る。終わりの寂しさを感じつつもファンミツアーなどでまた会う機会があること、このライブを楽しめた満足感を口にしつつ、お礼の言葉を送っていた。

 4人が次の楽曲の立ち位置について、この日はこれまで披露していなかったユニット曲「Not Sad」を、落ち着いた雰囲気のなかでハーモニーを響かせる。そして、TVアニメ1期エンディングテーマの「NEO SKY, NEO MAP!」に。エンディング映像でも象徴的なメンバーカラーのパラソルを手にパフォーマンス。客席からコールのみならず一緒の歌うような形で歌い進め、本編に一区切りを付けた。

 アンコールを求めるQU4RTZコールに応えて、気球のセットでせり上がるような状態で登場し「PASTEL」を披露。歌い終わった後、QU4RTZコールのお礼と、改めてキャスト陣と一緒にQU4RTZコールをしつつ、この公演のラストナンバーは、ニジガク始まりの曲である「TOKIMEKI Runners」。会場中に響くコールとクラップを受けて躍動しながら歌い、最後は4人がギュッとくっついて集まるような形に。その後、楽しさと名残惜しさを感じさせるトークや、「QU4RTZが大好きな人」「虹ヶ咲が好きな人」といったコール&レスポンスで盛り上がりながら締めくくった。

 ライブテーマである“ふわふわな魔法”を実現する美しいハーモニーを存分に味わえたのとあわせて、4人の個性とキュート感もあふれたものにもなっており、盛り上がるところは盛り上がりつつも、終始ふわふわな空間でリラックスできるようなライブとなっていた。

 また余談ではあるが、筆者お気に入りのメンバーがエマ・ヴェルデということを踏まえて印象的なところがある。幕間映像における空を飛ぶ方法を考えているときに、エマが竹とんぼを頭につけることを提案したことと、その理由も含めてエマらしいところを感じさせたこととか、指出さんがエマのコール&レスポンスであるような、マイナスイオンを感じさせるエマとしての歌声を響かせ続けたこととか、終盤のMCでエマとしてかすみを真似た「みなさーん!」と言っているときに、こちらもかすみを真似たような頬に指をあてたしぐさをしているところや、そのあと指出さんとしてあえて低めの声で挨拶してギャップを出していた茶目っ気のあるところも含めてかわいいのインパクトが大きかったところとか、エマはニジガクメンバーのなかで2番目に背が高く、QU4RTZメンバーでは1番背が高いというなかで、指出さんもキャスト4人のなかでは背が高めということもあって、ギュッと集まったときにエマのいる光景を感じられたこととか、パフォーマンス中のターンを綺麗に決めていて映えると感じているなかでも、「Swinging!」の冒頭でターンをしたときにおさげがふわっと跳ねるようなところも目を引くといったところもあるが、やはり触れておきたいのはソロ曲「La Bella Patria」と「いつだってfor you!」の披露だろう。

エマ・ヴェルデ役の指出毬亜さん(「いつだってfor you!」)
エマ・ヴェルデ役の指出毬亜さん(「いつだってfor you!」)

 「La Bella Patria」はTVアニメ1期第5話の挿入歌で、白とライトグリーンを基調としたドレス風衣装に、背中に麦わら帽子という格好は5話にちなんだ内容のもの。またエマと朝香果林の関係性にスポットが当てられた内容でもあり、曲中でのライトや電飾はエマのイメージカラーであるライトグリーンを中心にしつつ、冒頭などの一部で果林のイメージカラーであるロイヤルブルーも織り交ぜられているのも目を引くところとなっている。

 前に向かって指をぐるぐるとする特徴的な振り付けや、サビの部分で腕を伸ばして差し出すようにするところの、思いを伝えるような“説得力”感と言えるようなものも、それがスクリーンのエマとステージの指出さんがシンクロして決めているところも魅力的。初披露となった3rdライブ以降、歌われるたびに躍動感が増していると思えるダンスとステップでパフォーマンスしている姿は、スクールアイドルに憧れて日本にやってきたエマの成長を感じさせるとともに、見ている人を笑顔にしてくれる、心をぽかぽかさせてくれるステージと思えるもの。なにより、歓声やコールを受けてのステージはスクールアイドルのエマというのをより実感できるものとなっていた。

 「いつだってfor you!」は、スクスタのストーリー展開にあわせた楽曲。ニジガクのメンバーが「校内フィルムフェスティバル」で、各部活動が制作した映像作品のプロモーション活動を手伝うというエピソードがあり、その映像作品のオープニング主題歌やテーマソングなどをイメージするような楽曲がそれぞれ用意されている。そしてこの曲は、アニメーション研究部が描くメイドをイメージした楽曲となっていた。

 赤と白のストライプが入ったメイド風衣装にヘッドドレス、緑のリボンや花もあしらわれているというエマらしいメイド衣装で、楽曲も王道アイドルソングと感じさせるなかでも、“かわいい”に全振りしたと思えるもの。また歌詞も献身的なエマらしさにも通じるような内容で、可愛らしさを感じさせる振り付けも存分に盛り込まれていることや、エマとしての癒しの歌声もあり、“かわいい”で癒しを感じるステージに。すでに4thライブでも歌われているのだが、今回は声出しありということで、曲中や間奏での一体感のあるコールが響き渡る光景は、スクスタでもこのステージを行ったということになっており、その感覚をより実感できるものとなっていた。

 スクスタのなかでは、“あなた”(※プレーヤーのこと)がエマのステージを見て、会場にいた人たちはエマみたいなメイドにお世話されたいと思う感想を語るのだが、それだけ“かわいい”にあふれたものとなっており、見ていくうちに、にこやかな笑顔で歌っているところがかわいい、手を握って両手を寄せてあごに付けるところがかわいい、手でハートを作るところがかわいい、サビであなたに向かって両腕を伸ばして指をさすところがかわいい、頭の横で指をくるくるするところがかわいい、体をポンポンとする振り付けがかわいい、頭を少しかしげるところがかわいい、拳を突き上げて“Hay”と言っているところがかわいい……と感じるようになってくると、いたるところでこまかなしぐさや振り付けがかわいいという感覚に。そして、背を向けてから握った手をあごに付けて振り返る振り付けが曲中に3度あり、それぞれにかわいいのだが、終盤の3回目では“ボーノ顔”と表現できるような、目をつぶって頭を振るものとなっており、“尊い”“語彙力をなくす”と言えるぐらいの、かわいいのインパクトは特大。そこまでくると、最後のポーズを決めたところでは、存在しているだけでかわいいと思えるもの。そのような、見ている人をお世話されたいと感じさせるぐらいの魅了するステージを、指出さんが体現されたと感じた次第だ。

 なお本公演は、期間限定でアーカイブ配信を実施。販売期間は、DAY.1とDAY.2ともに3月26日19時までで、配信期間は3月26日23時59まで。詳細は「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ユニットライブ」特設サイトに記載されている。

(C)2022 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

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