「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!初のドームライブで感じた“天井知らずのポテンシャル” - (page 3)

 一方、Day2ではアンコールならぬLiella!コールが巻き起こるなか、ライブTシャツではなく、ライブ時点では発売前(3月15日発売)となる2ndアルバム「Second Sparkle」のジャケットで着用している衣装で登場し、表題曲である新曲の「Second Sparkle」をライブ初披露。おもわぬサプライズで、イントロの段階から興奮していることが伝わるぐらいの大歓声に包まれる。ロック調の楽曲で、Liella!のクールでスタイリッシュな一面を歌声や表情、ダンスによって存分に表現したステージで魅了した。

「Second Sparkle」
「Second Sparkle」

 歌い終わった後、新衣装をファンの前で披露するのが初めてということで紹介をしつつ、このあともDay2のアンコールは新衣装でのパフォーマンスに。「水しぶきのサイン」を経て、投票企画の第1位となった「ユニゾン」をトロッコで会場をめぐりながら歌う。さらに「Day1」も歌い盛り上げていくのと同時に、新衣装だけに、新鮮な気持ちで見ることができるものとなっていた。

 曲の後、ステージには結那さんが登場。ライブを振り返るなかで、マルガレーテの心を動かし、ファンも笑顔にするLiella!の歌の力を感じたこと、そして一緒に全公演出演したことの幸せを語っていた。マルガレーテやLiella!、そして集まった観客との出会いの奇跡に感謝しつつ、最後は渾身の「埼玉に、さいたマルガレーテ!」と花が咲いているような手のポーズを決めて、満面の笑顔でステージをあとにした。

 Day2でのLiella!キャスト陣のMCは、ツアーファイナルとあってか、思いがあふれるエモーショナルなトークが続くことに。絵森さんは、このライブツアーと通して“胸を張ってLiella!の一員です”と言えるようになることを目標に掲げていたという。Liella!が新たに2期生を迎えてメンバーが増えることに対してのさまざまな意見を見て、自信を持てなくなってしまったことがあったと振り返りつつ、ツアーが始まってから応援の声が大きくなっていったことに加えて、大阪公演でLiyuuさんが“9人のLiella!”と触れたときの拍手で、認めてもらえたことを実感し、自分でも認められるようになったという。そして最後に「Liella!の鬼塚夏美役、絵森彩でした!」と言うと、大歓声が巻き起こっていた。

 大熊さんも、このライブツアーでは目標として“四季に追いつけ、追い越せ”を掲げていたものの、「背中も見えなかった」と話す。自身たちが成長していっても四季たちもステップアップしていると説明しつつ「Liella!はずっと終わらない、完成しないということを感じた」と語り、この先もLiella!が続いていくこと、そして一緒に輝き続けることを呼びかけていた。薮島さんは1期生のパフォーマンスに魅了されたのと同時に、さらに上を目指して努力している姿を見てきて、2期生としてもどうしたらメンバーに追いつき、近づけるか考えてきたと振り返る。1期生が壁にぶつかって悩んでいるときに、1期生の力になりたいと思いつつも、何もできない自分がもどかしいという気持ちと、逆に1期生に助けられたところもあったと語り「私もLiella!の一員なので、これからは1期生2期生関係なく、みんなと助けられる存在になりたい」と、さらなる成長を誓っていた。

 鈴原さんは、パフォーマンスをしながらいろんなことを思い浮かぶなかで、特に一般公募オーディションのことを思い浮かんだという。そのときの思い出を語りつつ、小さいころから誰か特別の存在になりたい、笑顔にできようなアイドルになりたいと願っていたこと、挑戦しようとしてもあと一歩が踏み出せなかった過去を明かしつつ、ラブライブ!フェスで、後にLiella!となる新キャストの一般公募オーディションの告知を見て「これだ!」と思って応募したと振り返る。その後最終審査まで進み、大好きなラブライブ!のキャストになれるかもしれないと希望を持っていたものの、最終審査まで進んだ周りの参加者を見て、場違いや思い違いをしていると感じてしまったこと、それでも合格通知が届いたときに「大好きなことだから、私の人生をかけて頑張る」と決意したと語る。それでも、3rdライブツアーまでは、周りを見て特別な存在にはなれないと感じていたとしながらも、ファンからの応援を感じて自信がついたこと、そして自分を卑下するのはやめたいと感じたという。後述するが、新1年生の加入も予告されていることから、しっかりした先輩になれるように成長すると語っていた。

 青山さんは、TVアニメ1期の序盤における恋が、かのんや可可たちと対峙するような立ち位置であり、それを踏まえたディレクションがあったことに触れ、当時のさまざまな反応を見て、1stライブツアーではどうしたら恋を好きになってもらえるかを考えていたと振り返る。このときのライブでは客席からの歓声を控える状態となっていたため、コーレスで「葉月 恋!」と呼ばれないことにホッとしたということも当時の素直な心情を明かしつつ、埼玉公演では心を込めて恋の名前を呼んでもらったことが幸せと、感謝の言葉を送っていた。ペイトンさんは、誰一人欠けることなくツアーの14公演を駆け抜けられたことの感謝を口にしつつ、自身としてもすみれ役としてふさわしいか悩んだときもあったと振り返る。これまでのライブで思い出したくないような失敗もあったとしたが、今ではそんな時期もあったと笑えるようになったと、それはファンからの支えがあったからと語り「すみれちゃんと2人で手を取って、ときにお互いに高めあいながら、そして笑い合いながら、これから紡がれるLiella!を彩っていきたい」と話していた。

 岬さんは、さまざまな形でファンからの“好き”という気持ちを届けてくれることが嬉しいと語りつつ、伝えたいこととして、岬さ自身も周りと比べがちなところはあるとしながたも「私は私らしくていい」と思うことと話す。「一歩踏み出すことができたり、自分なりの表現ができたり、新しい自分を見つけられるのかもしれない」と語る。さらに2期生に対して「ひとりひとりがすごくキラキラしていて。2期生が来てくれて、私は本当によかった。これからもLiella!のみんなと、いろんな景色を見ていきたい」とメッセージを送っていた。

 Liyuuさんは、まずLiella!が無観客イベントや歓声を控える状態でのライブから活動を開始したことに触れ、そのときから応援してくれているファンに感謝の言葉と、いろんなことを考えながらライブを頑張ってきたことも忘れないと語る。そして初めての声出しライブではたくさん素晴らしい声が聞こえてきたとして、一緒に体験したことや作り上げられたことが心から嬉しいと喜びを露わにしていた。伊達さんは、TVアニメ1期でのかのんは自身と似ていると感じ、伊達さんも歌が好きというところから嬉しいと感じていた振り返る。その一方で、TVアニメ2期のかのんは、“どこまで行くの?”と感じるほど、成長して遠くに行ってしまったように感じたという。成長していくかのんに対して、嬉しい気持ちと進まないでほしいという感情を抱えていたときに、キャストのみんなが支えてくれたと感謝の気持ちを表す。また活動初期のころは、リハーサルの際に手を繋ぐとき手袋をしていたこと、そして素手で手をつないだことが嬉しかったことを振り返り、3rdライブツアーファイナルでやりたいこととして“手をつなぎたい”と答えたことに触れると、9人が素手で手をつないで喜ぶ一幕も。そして「澁谷かのん役として、かのんちゃんに追いついていないところもあるけど、これからも私なりに前を向いて頑張る」と語っていた。

 エモーショナルなMCが長くなってしまったこともあってか、鈴原さんの提案によりアンコール時の映像にもあった“バナナダンス”と呼ばれるダンスをして体をほぐしつつ、少しリラックスした雰囲気となったところで、アンコールのラストナンバーとなったのは「TO BE CONTINUED」。紙吹雪が舞うなかでドームいっぱいに歌声を響かせて締めくくる。ファンに向けての挨拶を行ったのち、最後は伊達さんがひとりステージに残り「私、やっぱり歌が好きだ!」と、かのんとも伊達さん自身とも思える一言で降壇した。

 これでライブが終了かと思いきや、止まないLiella!コールに応えて9人が再登場。ダブルアンコールとして「TO BE CONTINUED」をショートバージョンで披露。ダブルアンコールの興奮が客席からもキャストからも伝わるなかで、改めて感謝の言葉と挨拶を行って、3rdライブツアーを締めくくった。

 3rdライブツアーの集大成として、Liella!と結那さんも含めた成長を裏付けるような、大規模会場でも物おじした様子も見られず、ステージの遠さを感じさせないほどの、迫力があるパフォーマンスを持って、さまざまな楽曲を披露していたのが印象的。また、初回公演である宮城公演でも“9人のLiella!”を感じさせるものとなっていたが、この公演ではパフォーマンスでもトークでも、9人のLiella!というものをより感じさせるものとなっていた。

 トークのなかでは、3rdライブツアーに対して並々ならぬ強い思いと決意を持って臨んでいることを伺わせたのと同時に、高いパフォーマンス力を生み出す原動力とも思えるもの。かねてから、Liella!のポテンシャルは計り知れないと感じていたのだが、さらなる成長を目指すことを語っていたほか、新1年生の加入も予定されているなど、まだまだこれからと思えるものであり、ポテンシャルは天井知らずと実感するようなライブとなっていた。

 また余談ではあるが、筆者お気に入りのメンバーが桜小路きな子であることを踏まえて印象的だったところはある。ちなみにきな子は、北海道からひとり東京の高校に出ると決心し、結ヶ丘女子に入学した女の子。TVアニメ第2期では、運動も勉強も苦手というなかでもスクールアイドルに出会い、自分を変えようと頑張る姿が描かれている。また鈴原さんは前述のように、ラブライブ!シリーズ初の試みとして開催した一般公募オーディションの合格者として参加している。

 鈴原さんの、きな子特有と思えるような純朴感と芯のある歌声を響かせ続けたことや、終始楽しそうな表情でパフォーマンスをしていたこと、Day2の“バナナダンス”では、オリジナルの映像において鈴原さんはバナナダンスを行っていないのだが、このときはノリノリでダンスをしていたこと、Day2の一般公募オーディションのエピソードは、どこか自分を変えようと頑張るきな子の姿をほうふつとさせるものがあったこと、ほかにも伊達さんとの「Dreamer Coaster」では、きな子をスクールアイドルに導いたかのんという2人の関係性もあり、並び立ってパフォーマンスしている姿で改めて感慨深さを感じさせるところもあった。ほかにも「Go!! リスタート」で、先輩である1期生にひとり混じるという状況で、アニメPVさながらに先陣を切ってセンターステージに駆け出したり、序盤でスクリーンに映し出されたきな子とシンクロするように鈴原さんが歌いだす姿と表情に、2人としての成長もシンクロしているように感じさせるところもあった。

 また、現地で見ていて目を引いたこととしては、ファンに向けて目を合わせたり手を振ったりする、俗に“ファンサ”(ファンサービス)と呼ばれる行為について。特にトロッコに乗っているときに、鈴原さんが腕を伸ばして何度も指を指して、頭の上で丸を作ったりハートマークを作ったり指ハートをしたり……といったことを、あくまで筆者が見た範囲ではあるが、ここまでする方を見たことがないというぐらいに、すごく細かくしていたこと。きな子グッズを身に付けている方を見ると、きな子もこう喜ぶ……とまでいくと妄想が過ぎるところもあるのだが、ファン思いなところが垣間見えると感じられた次第だ。

 今後の展開についても告知が行われた。まず、3期生として加入する新1年生のメンバーについて、4月28日に発売する雑誌「LoveLive!Days 2023年6月号」にて発表する。また、2022年5月に開催されたライブイベント「MTV Unplugged Presents: LoveLive! Superstar!! Liella!」のBlu-rayが、6月28日に発売される。さらに、会員限定ウェブサービス「Liella! CLUB」を4月1日から開始。同サイトにて事前登録が行われている。

■ステージフォト

伊達さゆりさん(澁谷かのん役)
伊達さゆりさん(澁谷かのん役)
伊達さゆりさん(澁谷かのん役)
伊達さゆりさん(澁谷かのん役)
Liyuuさん(唐 可可役)
Liyuuさん(唐 可可役)
Liyuuさん(唐 可可役)
Liyuuさん(唐 可可役)
岬 なこさん(嵐 千砂都役)
岬 なこさん(嵐 千砂都役)
ペイトン尚未さん(平安名すみれ役)
ペイトン尚未さん(平安名すみれ役)
ペイトン尚未さん(平安名すみれ役)(左)と、大熊和奏さん(若菜四季役)
ペイトン尚未さん(平安名すみれ役)(左)と、大熊和奏さん(若菜四季役)
青山なぎささん(葉月 恋役)
青山なぎささん(葉月 恋役)
岬 なこさん(嵐 千砂都役)(左)と、青山なぎささん(葉月 恋役)(右)
岬 なこさん(嵐 千砂都役)(左)と、青山なぎささん(葉月 恋役)(右)
鈴原希実さん(桜小路きな子役)
鈴原希実さん(桜小路きな子役)
大熊和奏さん(若菜四季役)(左)と、鈴原希実さん(桜小路きな子役)
大熊和奏さん(若菜四季役)(左)と、鈴原希実さん(桜小路きな子役)
薮島朱音さん(米女メイ役)
薮島朱音さん(米女メイ役)
大熊和奏さん(若菜四季役)
大熊和奏さん(若菜四季役)
絵森 彩さん(鬼塚夏美役)
絵森 彩さん(鬼塚夏美役)
絵森 彩さん(鬼塚夏美役)
絵森 彩さん(鬼塚夏美役)
結那さん(ウィーン・マルガレーテ役)
結那さん(ウィーン・マルガレーテ役)

(C)2022 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]