パナソニック エレクトリックワークス社は3月9日、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」の戸建住宅向け新製品を開発したと発表した。発売は4月21日。従来の給湯、暖房に浴室乾燥も加えることで、より多くのエネファームの熱を活用できるようになる。
パナソニックは、家庭における省エネルギーへの取り組み強化を目的に、2009年に「エネファーム」の一般販売を開始した。新製品では、CO2排出量のさらなる削減を図るため、コージェネレーションシステムとしての機能の進化と、J-クレジット3の認証取得を支援する取り組みを行うという。
コージェネレーションシステムは、発電し、同時に発生する熱を回収して有効利用するシステムのこと。エネファームが供給する熱をうまく利用することで、家庭でのエネルギー自給率を高めることが可能だ。
エネファームによる発電で発生する熱の利用先として、浴室乾燥にも使える、プレミアムヒーティング機能を拡充。これまでのエネファームでも供給してきた給湯や暖房への熱利用に加え、プレミアムヒーティング機能では、エネファームが発電する際に生み出す熱で、床暖房や浴室乾燥に用いる温水を作る。
浴室乾燥の場合は最大60分、エネファームの温水を利用することができる。通常の使用時よりもやや低温のエネファームの温水を使って乾燥させ、最後の仕上げにはバックアップ熱源機で作った高温水を使う。
屋外に設置する貯湯ユニットは、これまでエネファームの設置に必要な奥行を最小550㎜としていたところ、新製品では貯湯ユニット本体の奥行を50mm減らし、燃料電池ユニットと貯湯ユニットの本体奥行をともに350mmとすることで、設置に必要な奥行を500mmとした。これにより、民法上で規定されている、住宅外壁から敷地境界線までが500mmのスペースにも設置が可能となる。
また、新製品では貯湯タンクの薄型化に伴い、現行機では130Lだった容量を100Lと少なくしたが、発電効率が1%向上したことで、従来製品と同等以上の省エネ性を確保。さらに、被災などにより断水が発生しても手軽に水を取り出せるよう、非常時水取り出し口を追加し、2カ所となった。タンクの上半分の水を、立ったままの姿勢でペットボトルなどの容器に取り出すことができる。
なお、2021年度以降発売のパナソニック製エネファームには、LPWA無線通信を搭載。エネファームが発電した量を遠隔で取得することができるため、その情報を用いてCO2排出量の削減量を算出することができ、J-クレジットの認証を取得することができる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス