カシオ社長交代、創業家以外で初--G-SHOCKを手がけた増田裕一氏が就任へ

 カシオ計算機は2月27日、取締役会において代表取締役の異動について決議したと発表した。

 4月1日より専務執行役員 時計BU 事業部長を務める増田裕一氏が代表取締役 社長 CEOに就任するとともに、現在の代表取締役社長 社長 CEOである樫尾和宏氏は代表取締役 会長になる予定だ。なお、増田裕一氏の代表取締役就任については、6月29日開催予定の第67回定時株主総会及び同総会後の取締役会にて正式決定するとしている。

代表取締役 社長 CEOに就任する増田裕一氏。現在は専務執行役員 時計BU 事業部長を務める
代表取締役 社長 CEOに就任する増田裕一氏。現在は専務執行役員 時計BU 事業部長を務める

「デジタルカメラ事業の撤退などいろいろあった」--樫尾氏の振り返り

 カシオ計算機は、代々創業家が社長を継いできた。2015年に27年ぶりの社長交代をし、当時49歳の樫尾和宏氏が社長に就任した。増田氏は、創業家以外で初の社長就任となる。

 樫尾氏は「この8年の間にデジタルカメラ事業の撤退や、前社長の樫尾和雄会長の逝去などいろいろなことがあった。2019年には当社として初の中期経営計画を発表し、ステークホルダーとの信頼関係が良化した」とこれまでを振り返った。

C30プロジェクトの概要
C30プロジェクトの概要

 今回のタイミングで交代する理由について、「第3Qの決算発表では下方修正を報告することになったが、2030年度の企業価値最大化に向け、4月より新たに始まる『C30プロジェクト』を進める。時計事業の成功事例をほかに再展開していくことが重要である。そのノウハウを一番持っている増田専務にお願いした」と説明した。

 また、樫尾氏は企業価値を最大化させる中期経営計画の監督の徹底ができていないとし、「RPCDCAの監督を専任をする。退くということではなく、代表取締役会長として担っていく」と語った。

「企業価値を最大化させることが最大のミッション」--増田氏の意気込み

 増田氏は1978年に入社。以来、長く時計分野を専門としてきた人物だ。社長交代にあたっては、2022年12月末に社長室に呼ばれたことを明かし、「正直いって驚いた。事業環境は非常に厳しい。この先、環境の変化がどうなるか予測しがたい中で、自分が期待に応えられるのだろうかという気持ちがあったが、私を取り巻く同僚部下の期待が強いと感じ、決心した」とコメント。

カシオの強み
カシオの強み

 「この先もどのような環境変化が起きるか、予測し難い時代の中で、会社の持続的な成長を確保し、企業価値を最大化させることが、私に課せられた最大のミッションと捉えている。創業以来、半導体技術の進化とともに需要を創造し、事業の拡大を通じて人々の暮らしに貢献してきた。時代は進み、デジタル技術がさらなる進化を遂げ、機能や性能だけでは優位性を論じられなくなった今だからこそ、人々の心を豊かにする創造貢献が必要と考えている」と説明した。

「人々の心を豊かにする『カシオらしい創造・貢献』で世界中の人々を幸せにする」と説明
「人々の心を豊かにする『カシオらしい創造・貢献』で世界中の人々を幸せにする」と説明

 昨今は“若返り人事”が話題となる中、樫尾氏よりも年上の人事交代となる。この点について樫尾氏は、「私より元気なので、毎朝鍛えられていることも踏まえて年齢に不安はない」とコメント。増田氏も「気持ちは若いと思っている。毎朝、腹筋100回、背筋100回、スクワット100回をやっている」と応じた。

 今後の事業戦略について増田氏は、「ナンバーワンよりオンリーワンの主義」と説明。「たとえばスマートウォッチはレッドオーシャン。その中で勝ち組はApple Watch。市場でスマートフォンの市場やOSをしっかり握っているスマートウォッチの中に入って性能の優劣を競っても仕方がない。むしろ、オンリーワンのG-SHOCKのブランドをしっかりとしたベースを広げて、その上にスマート機能を載せていく。時計事業の考え方を楽器にしたら、中核のブランドのPrivia(電子ピアノ)がある。Priviaを独自の唯一無二のポジションをしっかり作り上げる。そのためにどんな技術を開発するか、マーケティングをどう展開したらいいのかに集中し、確固たるものにしていく戦略がある」と語った。

樫尾和宏氏(左)と増田裕一氏(右)
樫尾和宏氏(左)と増田裕一氏(右)

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