東京地下鉄(東京メトロ)、viviON、GATARIは2月21日、Mixed Reality(MR)技術を活用し、東京メトロの3駅で音声やライブ音源が楽しめる「東京メトロ×Clock over ORQUESTA『クロケスタ駅ナカLIVE!!~新宿・銀座・王子をめぐるバーチャルライブ・ラリー~』」を、期間限定で開始した。
これは、東京メトロの対象駅3駅(新宿駅、銀座駅、王子駅)に設置されたライブスポット(各駅4カ所)をめぐる企画。各ライブスポットには、viviONが展開している、ボカロPの楽曲を声優陣が歌うSNS連動型キャラクターソングプロジェクト「Clock over ORQUESTA」(クロケスタ)のスペシャルライブ音源がバーチャル空間に設置。全スポットを巡ることで入手できる3つのパスワードを特設サイトに入力すると、スペシャルボイスドラマを聞くことができるという。
バーチャル空間に設置された音源には、GATARIが提供しているMR音響体験アプリ「Auris」(iOSのみ対応)とイヤホンなどを利用することでアクセス可能。立つ位置によって音声の聞こえ方が変化するインタラクティブな空間オーディオとなっており、対象が実際に目の前で歌い話しているような、ライブ感のある音響体験を実現するという。
同日には、メディア向けに報道公開を実施し、実際に体験。スマートフォンを胸のあたりに構え、カメラを隠さないよう常に正面に向けた状態で、キャラクターポスターの前に移動すると、バーチャル空間に設置されたスペシャルライブ音源が聞こえてくるようになっている。手持ちのiOS機器、イヤホンで利用可能だが、ここでの体験ではiPhoneと連携したスマートグラスを活用したこともあり、耳をふさがない状態ということもあってか、より臨場感を得られるものとなっていた。
説明によれば、今回使用されているAurisは、VPS(Visual Positioning System)の技術を活用し、施設などの空間をスキャンしたデータと、カメラで取得した現実の風景をマッチングさせて位置測位を行う。あわせて、音声データを特定の位置に配置することが可能となっている。そして、単に特定の場所で音声ガイドが流れるという“点”の体験ではなく、空間全体を演出し移動している間にシームレスな体験を味わうことができるという。これまでも施設などに導入はされているものの、一般ユーザーが手持ちのスマートフォンで体験できる形で提供するのは、初めてのこととしている。
既存の音声ARではGPSを活用されているものも多いが、AurisではVPS技術を活用しているため、特に東京メトロのようなGPSの情報が取得しにくい地下の場所でも利用ができる。また、ビーコンやセンサーをはじめ、音を発する装置などのリアルな物を置く必要がなく、公共の場など設置に制限のある場所でも実施しやすいこともメリットという。そして、ひとつの空間にいても、人によってプライベートな空間体験が味わえる、インクルーシブな空間作りができるアプリとしている。あわせて、もともと没入感の高いアプリであるうえ、今回のようなライブというコンテンツの魅力も加わり新しい体験が提供できていること、ポスターで描かれているキャラクターの口元に音源を置き、本当に口から声が聞こえるように感じられるなど、細かいところに演出を仕込んでいるため、より意識して体験すると魅力が増すとアピールした。
期間は3月21日までを予定。前述のようにAurisはiOSのみ対応しているため、通信可能なiPhoneやiPadなどiOS対象機器を所有していない方、アプリの操作に不安のある方を対象として、各駅にて機器の貸し出しやスタッフによる案内を行う日も設けている。対象駅のイベントエリアや記念キャンペーンなども含めた詳細は、特設サイトに記載されている。
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