聴こえをサポートする聴覚サポートデバイス「FILLTUNE」に音楽を楽しめる新モデル

　聴こえをサポートする、フルワイヤレス聴覚サポートデバイス「FILLTUNE CLEAR」に音楽を楽しむための新たなヘッドホン「FILLTUNE CLEAR PURE SOUND」が登場した。以前聴いていたような豊かな音楽を耳元で体験できる。

「FILLTUNE CLEAR」（左）と「FILLTUNE CLEAR PURE SOUND」（右）

装着イメージ

　FILLTUNEは、「聴こえに不安を感じ始めた」「補聴器の聴こえに違和感を感じている」といった人を対象にした聴覚サポートデバイス。難聴者中でも加齢性難聴を患う高齢者をターゲットに据える。

　FILLTUNE 代表取締役CEOの磯部純一氏は「加齢性難聴の原因の多くは、蝸牛の内側に並んでいる有毛細胞のうち外有毛細胞（OHCs）の死滅。外有毛細胞の先、ラセン神経節細胞の手前にある内有毛細胞（IHCs）に向けて直接的に、超微細振動を届けることで、聴こえをサポートしている」とFILLTUNEの仕組みを説明する。

　FILLTUNEでは、新開発の「PRESTINエンジン」を用い、側頭骨や皮下脂肪による振動の減衰を抑えることで、従来のデバイスでは不可能だった、子音部分を含む可聴帯の全周波数をラセン神経節細胞に伝達することに成功。PRESTINエンジンは、従来の圧電式骨伝導の100倍以上の超微細振動を届けられるよう設計、開発されており、超微細でありながら力強い振動を生じさせられるという。

　FILLTUNE CLEAR PURE SOUNDは、超微細振動を届ける性能はそのままに、音楽性を高めたモデル。「日常会話には困らないが、音楽が聴こえづらくなり、楽しむことが少なくなってしまった。もう一度音楽を以前のように楽しみたい」という声を受け開発したという。

「FILLTUNE CLEAR PURE SOUND」

　従来のFILLTUNE CLEARでは、ハウリングを抑えるため低音を控えめにしていたが、それでは音楽を聴く時の迫力がなくなってしまうため、FILLTUNE CLEAR PURE SOUNDでは、集音の音量を維持しながら、低音を引き上げ、音楽性を高めたとのこと。本体には2つのマイクを備え、周りの音を拾うことで、環境音なども自然に近い音で聞こえるようにしているという。

　2021年に実施したFILLTUNE CLEARのクラウドファンディングでは、早期割引価格でも9万5000円という高額ながら4800万円以上の支援金を集めた。

　現在、医療商社を通じて、病院や介護施設などを中心に税込価格44万円で販売しているが、FILLTUNE CLEAR、FILLTUNE CLEAR PURE SOUND共に、月額8800円のサブスクリプションも開始。手軽に使える環境を整えるほか、2月13日から3月2日まで、東京都世田谷区の二子玉川 蔦屋家電内の「蔦屋家電+」で、展示、体験スペースを設ける。

　集音に加え、音楽を楽しみたいというニーズも満たし、FILLTUNEは補聴器とは異なる新たな次元の聴こえをサポートしていく。

取り外しができるストラップは長時間使用していると頭部が下がり装着位置がずれてしまわないように付属しているという