OpenAIが開発した「ChatGPT」について、大きな可能性を期待する声がこのところ相次いでいる。ChatGPTは、人間の問いかけに応じて自然言語で対話ができる人工知能(AI)プログラムだ。
多くの人がChatGPTプログラムに新しさを感じ、唯一無二のものに違いないとして高い関心を抱いている。
だが、AIの研究者らは、そういう考えに異を唱えている。
「根底にある技術という点で、ChatGPTは特に革新的なものではない」と、MetaでチーフAIサイエンティストを務めるYann LeCun氏は米国時間1月19日、少数の報道関係者や企業幹部が参加した「Zoom」会議で語った。
LeCun氏は次のように述べた。「革新的なところは何もないが、世間ではそのように受け取られている」「まとめ方がうまいというだけであり、その点では見事だ」
同氏によれば、このようなデータ駆動型のAIシステムは、これまでにも多くの企業や研究機関で開発されてきたという。そのため、OpenAIのアイデアがこの種の取り組みでユニークだという見方は正しくないとしている。
「OpenAIが他の研究所と比べて特に先進的だということはまったくない」(同氏)
同氏は「GoogleやMetaはもちろん、少なくない数のスタートアップが、基本的に極めて似たような技術を持っている」とした上で、次のように述べた。「私はこれ(ChatGPT)を簡単なことだと言いたいわけではないが、実際にはすでに公開されている技術であり、隠された秘密のようなものはない」
同氏は、Collective[i]が主催するオンラインのディスカッションシリーズ「Collective[i] Forecast」に、スピーカーとして招待された。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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