タッチスクリーン搭載「MacBook Pro」に賛否--専門家が挙げる4つの理由

Jason Cipriani (Special to ZDNET.com) Michael Gariffo (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2023年01月20日 07時30分

 Appleが「MacBook Pro」にタッチスクリーンを搭載すると報じられている。これは、待ち焦がれていたAppleファンもいれば、Apple社内の人も含めずっと抵抗してきた人もいる機能だ。米ZDNetは異なる意見を持つふたりの専門家に見解を聞いた。Jason Cipriani氏はMacBook Proへのタッチスクリーン搭載を歓迎し、Michael Gariffo氏は意味がないと反対している。

提供:Getty/Bloomberg
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Jason Cipriani氏:「AppleはMacとiPadの強みを融合させている」

  • タッチスクリーンPCの良さはすでにMicrosoftが証明している

 筆者はMicrosoftの「Surface Pro」シリーズを愛用している。「Surface Pro 8」への愛を語る記事を書いたほどだ。Surface Pro 8は携帯性と利便性をうまく両立しており、タッチスクリーンの快適さを享受しながら、PCならではの馬力も活用できる。しかし、筆者の仕事環境に組み込むにはSurfaceシリーズには1つ、大きな欠点があった。OSが「Windows」だということだ。

 ちまたで最近うわさされているタッチスクリーンディスプレイを搭載したMacBook Proの形は現行のものと変わらないという。MacBook Proのフォームファクターがタッチ画面に適していないことは確かだが、第1世代のApple製品にはいつだって大きな妥協点があったではないか。

  • 「macOS」と「iPadOS」はすでに似ている

 Appleはここ数年、「Mac」の画面と動作を「iPad」に近づけるために、またはiPadの画面と動作をMacに近づけるために、ソフトウェア面の強化に努めてきた。例えばmacOSとiPadOSに搭載されている「ステージマネージャー」機能は、どちらのプラットフォームでもほぼ同じように動作する。

 このようにmacOSとiPadOSには類似点が多いが、iPadOSには機能面の制限があるため、iPad Proさえあれば十分とはならない。これは筆者を含め、多くのユーザーが実感していることだ。マルチタスクの必要性やプロ用ソフトウェアへの対応など、その理由はいくらでもある。しかし、AppleはMacにタッチ機能を搭載し、おそらく将来的には「Apple Pencil」にも対応させることで、MacとiPadの強みを融合させようとしている。

  • MacとiPadのラインアップが拡大する

 MacとiPadがかつてないほど似通ってきていることを考えると、より強固なOSを搭載したMacのタッチスクリーン体験を強化することは、iPadシリーズにも良い影響を与える。

 実際、両者の関係は互恵的だ。AppleはiPad(具体的には「iPad Pro」)シリーズで得た教訓を、タッチスクリーン搭載Macの体験を向上させるために活用するだろう。その恩恵はすべてのAppleユーザーにもたらされるはずだ。

  • Appleの言う「絶対にない」は本心とは限らない

 覚えている人もいると思うが、Appleの創業者Steve Jobs氏は生前、小型のタブレット端末をバカにしていた。小さいタブレットを売るなら指先を削って細くするための紙ヤスリも必要だというジョークを飛ばしたことさえある。初代iPadを披露したときは、タブレット体験を向上させるためにスタイラスペンを導入する可能性を即座に否定した。Jobs氏は大きなスマートフォンなど誰も買わないと言ったが、同社は後に巨大な「iPhone 14 Pro Max」を発売している。

 最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏を筆頭に、同社経営陣はタッチスクリーン搭載Macの可能性を積極的には語ってこなかった。しかし、だからといってその操作感や問題点に関するテストや調整、改良を行ってこなかったということではない。もしmacOSで動くタッチスクリーン搭載MacBook Proが登場するなら、その画面や動作は現行のMacBook Proとは異なるものとなるだろう。

Michael Gariffo氏:「タッチスクリーンの搭載にメリットなどあるのか」

  • macOSはタッチスクリーン用に開発されたOSではない

 MacBook Proにタッチスクリーン機能を追加するなら、小さなカーソルで細かい作業ができるように設計されたシステムを、太い指でも操作できるようにOSを全面的に刷新する必要がある。タッチ操作に最適化されていないWindowsノートPCを使ったことがある人なら、指で細かい作業をすることの難しさを想像できるだろう。

 この点はAppleも理解している。2021年、同社のハードウェアエンジニアリング担当上級バイスプレジデントのJohn Ternus氏は、The Wall Street Journalにこう語った。「われわれはiPadの開発を通じて、世界最高のタッチコンピューターを作っている。iPadはタッチ操作に完全に最適化されており、Macは(キーボードを介した)間接入力に完全に最適化されている。このすみ分けを変える必要性は感じない」。2つの世界を切り離すことでAppleが回避しようとしていた危険は、「Windows 8」で採用されたユーザーインターフェース「Metro」の失敗を見れば分かる。

  • AppleはタッチスクリーンノートPCの理想型をすでに示している

 つまり、iPadだ。Appleは長年、「What's a computer?(コンピューターって何?)」というキャッチフレーズを使って、iPadはラップトップと同等のことができるとアピールしてきた。この主張は一部の人にとっては事実かもしれないが、仕事道具としては依然としてMacBook Proに軍配が上がる。「M2」チップを搭載した最新の「iPad Pro」は驚くほど高性能だが、生産性の面ではMacBook Proに及ばない。その原因はインターフェース、つまりタッチ入力の必要性にある。

  • ディスプレイを平らにできない

 うわさされているタッチスクリーン搭載MacBook Proは、従来のノートPCと同じフォームファクターを採用していると言われている。つまり、平らになるディスプレイや360度回転するヒンジは搭載されていない。垂直に置かれたタッチスクリーンを長時間使用したことがある人なら分かると思うが、この体勢はかなり疲れる。そのため、普通はタッチスクリーンを平らにして使うか(現在のMacBook Proの形状では無理だ)、疲れた腕を休めるためにタッチパッドとキーボードを介した入力に戻るはずだ。

  • 「Touch Bar」はユーザーに嫌われて廃止された

 かつてMacBook Proのキーボード上部に鎮座していたTouch Barが消えたのは、ユーザーに嫌われたからというより、キーボードのスペースを広げるためだと主張する人もいるだろう。しかし、指をほんの数センチ動かせばできる操作やアクションを、わざわざキーボードの上部まで指を運んで実行するという状況をユーザーが気に入っていたとは思えない。

 操作したいものがTouch Barよりもさらに遠く、MacBook Proのディスプレイ上にあったらどうだろう。そんな果てまで指を伸ばすくらいなら、タッチパッド上に置いた指を動かして操作したいと思うはずだ。だとすれば、前述した3点とあわせて考えほしい。果たしてMacBook Proにタッチ機能を追加するメリットなどあるのか、と。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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