AR機能付きスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」を開発中のMojo Visionは、スマートコンタクトレンズの開発を一時的に中断すると発表した。新たな出資者を見つけられず、開発に必要な資金を十分に確保できないためだそうだ。
Mojo Lensは、コンタクトレンズと同様、目に装着して使うウェアラブルデバイス。スマートグラスのように、装着すると文字情報などが目の前に浮かんで見える。ハンズフリーで、視線をそらすことなく情報が得られるどころか、まぶたを閉じていても表示が見えて、目立たない「Invisible Computing」を実現させるという。用途としては、スポーツ分野のほか、買い物リスト表示のような日常利用を想定している。
Mojo Visionは、2022年4月にMojo Lensの最新プロトタイプを発表。Mojo Vision最高経営責任者(CEO)のDrew Perkins氏が、自ら装着テストを実施していた。
今回の方針転換により、Mojo VisionはMojo Lens用として開発してきた超小型LEDディスプレイの商用化に注力する。最新プロトタイプに搭載したマイクロLEDディスプレイは、直径が0.5mm、画素密度が1インチあたり1万4000ピクセルで、世界でもっとも小さくもっとも高精細なディスプレイとしている。
このマイクロLEDディスプレイ市場は近い将来に利益が期待できるとみており、こちらへ開発リソースを投入できるよう軸足をスマートコンタクトレンズから移すとした。
なお、事業方針の転換にともなう組織改編により、Mojo Visionは約75%の人員削減を実施する。
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