「TikTok」を運営する中国企業の字節跳動(バイトダンス)は、事業売却の圧力に直面している可能性がある。ソーシャルメディアプラットフォームとして高い人気を誇るTikTokは、セキュリティ上の懸念があるとして、一部のBiden米政権高官が「中国政府がスパイ行為や政治的影響力を目的に同アプリを利用できないようにするために」同社の米国事業の売却を強く求めていると、The Wall Street Journalが複数の匿名情報筋の話として新たに報じている。
強制売却の提案は、対米外国投資委員会(CFIUS)の議論で持ち上がり、米国防総省と司法省の代表者らが、売却を支持しているという。懸念の1つは、中国の巨大複合企業であるバイトダンスが所有するTikTokを中国政府が利用して、米国ユーザーの情報を取得したり、「米国の世論に影響を与えることを目的に」同プラットフォーム上で表示する(または表示しない)コンテンツを指示したりするのではないかというものだ。
TikTokは、同社に関する「あらゆる合理的な国家安全保障上の懸念」を解消するために、2年以上にわたってCFIUSと協議しており、コーポレートガバナンス、コンテンツのレコメンデーションとモデレーション、データのセキュリティとアクセスに関する懸念への対処においてかなりの進展を遂げたと述べている。
TikTokをめぐる国家安全保障上の懸念は、この数週間でさらに高まっている。12月初旬には、同アプリの米国事業をめぐるBiden政権とTikTokの間の協議が、国家安全保障上の懸念を理由に遅れる可能性が報じられていた。同アプリは、バージニア州やジョージア州などの一部の州で、州政府が所有する端末とネットワークでの利用が禁止されているほか、ジョージア州、オクラホマ州、アラバマ州の一部の大学でも同様に、構内のコンピューターやネットワーク上での利用が禁止されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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