デジタル大臣を務める河野太郎氏は12月23日、マイナンバーカードの利用シーン拡大に向けた取り組みを説明した。マイナンバーカードをクレジットカードを紐付けることで、キャッシュレス決済などに活用できるという。
この取り組みは12月23日に閣議決定された「デジタル田園都市国家構想」の総合戦略にも明記された。地方自治体がマイナンバーカードを使って地域振興や観光振興を図る取り組みを政府が支援する。
河野氏は観光振興の具体例として、マイナンバーカードをクレジットカードと紐付けて、マイナンバーカード1枚でさまざまな決済を可能とする「手ぶら観光」を挙げた。利用者は地域限定のポイントを貯めたり、割引を受けられるメリットもあるという。地域のサービス事業者側にも、観光客のデータを匿名化して観光市場開発に活用したり、戦略的な割引やポイント付与によって、観光客を地域に誘導できるメリットがあるという。
また、クレジットカード以外にも、「Suica」などの交通系ICや、地域限定ポイントなどとマイナンバーカードを紐付けられるようにする。JR東日本と群馬県前橋市が2020年11月から実施している先行事例では、Suicaとマイナンバーカードを事前に紐付けることで、Suicaをかざすだけで市民限定の低価格なバス運賃が適用されるようになっている。
政府は、上記のような地方自治体によるマイナンバーカードを使った取り組みの全国展開を目指す。マイナンバーカードの申請率が7割を超えた地方自治体に対しては、デジタル田園都市国家構想の交付金を活用して、「補助率10分の10で支援する」(河野氏)としている。
地方自治体からの申請は2023年1月26日から2月6日まで受け付ける。なお、現時点でも事前相談には応じているといい、交付金を活用して、マイナンバーカードの用途開拓を地方自治体に委ねる。
政府は今回の取り組みを通じて、マイナンバーカードの活用を民間にも拡げたい考え。河野大臣は「行政だけでなく民間のビジネスシーンにおいても、”誰でも使えるオンライン本人確認機能としてのマイナンバーカード”の利用を拡大したい」と述べた。
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