2023年のトレンド予測--ソーシャルショッピングや衛星ブロードバンドなど

Jada Jones (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2023年01月05日 07時30分

 コンサルティングファームのDeloitteが先ごろ公開したレポート「Technology, Media & Telecommunications 2023 Predictions」(2023年のテクノロジー・メディア・通信業界の予測)では、2023年に大きなインパクトをもたらすと同社が予測する世界の技術トレンドが紹介されている。この中で取り上げられているオンラインショッピングや低軌道衛星ブロードバンド、広告付きストリーミングについて、同社のコンサルタントに話を聞いた。

カメラの前でスニーカーを紹介する人物
提供:Getty Images / iStockphoto

ソーシャルショッピングのトレンドは継続

 2023年にはインターネット上のソーシャルプラットフォームで買い物をする人が世界で20億人を超え、ソーシャルコマースの市場規模は1兆ドル(約132兆円)を超えるとDeloitteは予測する。同市場の成長速度は従来のEコマースを上回っている。

 成長の大きな促進要因となっているのが、ソーシャルメディアのインフルエンサーだ。インフルエンサーは、その影響力を武器に人々、特にZ世代の消費を促している。Deloitteが指摘しているように、Z世代は世界最大の世代であり、世界人口の30%以上を占める。この勢いを増す世代を構成する若者たちは、そのほとんどがデジタルネイティブであり、すべての時間をインターネットやソーシャルネットワーク上で過ごす傾向があると同社のコンサルタントは説明する。

 同レポートによれば、「Z世代は今後もほとんどの時間をオンラインで過ごし、欲しい商品や必要な商品について、精度の高いターゲティング広告やパーソナライズド広告に継続的にさらされる可能性が高い。こうした広告は、Z世代が既に知っていて愛着を持っているインフルエンサーから直接配信される」

 インフルエンサー、ソーシャルメディアのアルゴリズム、そしてZ世代に見られるオンライン購買傾向が、現在のデジタルショッピングブームの背景にあると指摘するのは、Deloitteの通信・メディア・エンターテインメント部門を率いる副会長のJana Arbanas氏だ。

 マーケティングにインフルエンサーを活用している企業は、キャンペーンの費用を削減し、広告の精度を高めて売上を伸ばしているとArbanas氏は言う。買い手にとって意味のあるものを特定できるソーシャルメディアのアルゴリズムを活用することで、ブランドは売上を伸ばし、販売効率を高められると同氏は考えている。

 「ブランドはこうしたアルゴリズムを積極的に活用していくべきだ。アルゴリズムによって消費者とその関心やニーズが分かれば、消費者の関心とブランドをマッチングできるようになる」(Arbanas氏)

 これまでの広告主は、幅広い消費者に訴求するように広告キャンペーンを設計しなければならなかった。キャンペーンの実施自体にも高額のコストがかかった。しかし、インフルエンサーが何十万人、何百万人というフォロワーに向けて製品を宣伝してくれれば、広告キャンペーンのコストは下がり、ターゲティングの精度も高まる。

 「かつての企業は、莫大な資金を投じて大量の広告を打っていた。しかし、この方法はスピード感がない上に、ターゲット集団が大きいため、広告も当たり障りのないものだった」と、Arbanas氏は言う。「しかし今はソーシャルメディアを活用することで、時間をかけずに複数のキャンペーンを作成できる。しかも、コンテンツを作る必要さえない。インフルエンサーが代わりにやってくれるからだ」

 Deloitteは、ソーシャルメディアが切り拓いたこうした機能が、今後はあらゆる場所で見られるようになると予測する。「2023年以降は、ほとんどのデジタル体験がショッピングに対応するだろう。ソーシャルメディアプラットフォームにおいて可能な『タップして購入』という行動が、他のオンラインサービスでも利用できるようになる可能性は高い」と言う。例えば、ストリーミングサービスで料理番組を見て、その材料をショッピングカートに追加するといったことが可能になる。

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