ファストドクター、山梨県で地域の医療体制の補完に向け実証実験事業

 ファストドクターは、山梨県が実施している「第3期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」に採択されたと発表した。

 
 

 これにより、同社の時間外救急プラットフォーム「ファストドクター」と県内の医師が連携し、初期救急医療体制の拡充を目指した実証実験事業に取り組む。同事業は、12月1日から2023年2月28日までの3カ月間、笛吹市内において実施する。

 山梨県では、医療の確保が困難な無医地区が5市町村8地区、準無医地区が7市町村12地区ある。また、笛吹市が位置する二次医療圏の峡東医療圏では、医師偏在指数が全国平均を大きく下回っており、中間区域であるものの、医師少数区域に近い状況になっているという。

 さらに、郊外地域においては、高齢化の進展とともに医療機関を容易に利用できない住民の存在も指摘され、郊外地域の医療提供体制を維持していくことが求められている。

 そこで同実験では、特に医療アクセスが困難な夜間・休日において、都市圏の潤沢な医療資源を活用。地域医療体制を補完することで、地域医療の負担軽減と住民の満足度向上の実現を目指すという。

 日中は地域医療体制を堅持し、夜間休日は東京都や大阪府など県外に所在する潤沢な医師資源をオンライン診療で活用して地域の医療体制を補完する。即時の入院を要しない初期救急患者は、まずオンラインでファストドクターに登録する医師による、診察・処方箋発行(処方薬の宅配も可)が受けられる。

 その際、医師の判断により救急連携や二次救急への受診調整を行うことで、真に救急車を必要とするケースの振り分けを行う。こうした分業と連携により、主に無医地区、準無医地区などにおける初期救急医療体制の強化と地域の医療格差の是正、消防機関や救急医療機関の負担軽減を実現していく。

 同社は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年より自治体と連携し、保健所の業務負担の軽減や自宅療養者の診療支援を実施してきた。これまでは高齢化率が顕著な都市圏での活動を主としてきたが、今後は医師偏在地域・無医地区を含めた地方部の幅広い医療課題解決にも取り組んでいくという。また、同実験によって、地域の医療課題解決の有用性を確認し、全国への展開を目指すとしている。

 
 

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