破産申請した仮想通貨取引所のFTXは、ハッキングの可能性を調査しているという。数億ドル分の仮想通貨が同社の口座から消えたようだと、複数の報道機関が米国時間11月12日に報じた。
同社の法務顧問は12日、新たに任命されたFTXの最高経営責任者(CEO)による声明をツイートした。そこには「一部の資産に対する不正アクセスが発生した」ことと、FTXが警察に通報したことが記されていたと、The New York Times(NYT)が報じている。
消えたとされる仮想通貨の正確な金額は不明で、報道機関によって異なる金額が報じられているが、多くの記事で、仮想通貨の犯罪対策ソリューションを手掛けるEllipticによる金額が引用されている。同社は12日の時点で、盗まれた資産は4億7700万ドル(約670億円)とみられると投稿している。
具体的に何が起きたのかも不明だと、NYTは報じている。
NYTは、「大規模な盗難は、同社の破産で既に数十億ドルを失った顧客や債権者に対するFTXの返済を、さらに困難にする可能性がある」と指摘している。
資産が消えたとされることについて、12日にFTXにコメントを求めたが回答は得られなかった。NYTは、FTX前CEOのSam Bankman-Fried氏が、テキストメッセージを通じて同紙に対し、「破産チームとともにこれを調査している」と伝えたと報じている。
FTXは11日、同社事業の安定性が疑問視されていたことを受けて、破産法の適用を申請した。同社は、仮想通貨業界で最大規模の取引所の1つだったと、The Wall Street Journal(WSJ)は言及していたが、FTXの破綻は仮想通貨に対する疑念を高め、自分の資産を取り戻せないかもしれないという不安を顧客に与えている。
【訂正:11月14日13時40分】ドル・円の換算に誤りがあったため、本文およびタイトルを訂正しました。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス