NTTグループ会社からイヤホン「nwm」が登場--耳元に音を閉じ込めるPSZ技術を搭載

加納恵 (編集部)2022年11月09日 17時28分

 NTTソノリティは11月9日、オープンイヤー型ながら、耳元だけに音を閉じ込める「パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)」技術により、音漏れが少ないイヤホン「nwm MWE001」を発表した。NTTグループ初のコンシューマー音響ブランド「nwm(ヌーム)」として販売していく。税込価格は8250円。同日からアマゾンで販売している。

nwmブランド
nwmブランド

 NTTソノリティは2021年9月に設立したNTTのグループ会社。最先端の音響信号処理技術を用いて音響関連事業を手掛け、NTTソノリティ 代表取締役の坂井博氏は「音のインフラ企業になること」を目指すとしている。NTTコンピュータ&データサイエンス研究所が開発したPSZ技術をコア技術に据え、nwmブランドを立ち上げており、MWE001は第1弾モデルになる。

 PSZ技術は、ある音波(正相)に対して逆相の音波を当てることで音波同士が打ち消し合い、音が聞こえなくなる作用に着目し、開発された新技術。特殊なハードウェア設計により特定のエリアに限定した音を再生するというもの。耳元に小さなカプセルのような音の空間が生まれるため、耳を塞がなくても周囲への音漏れを最小限に防ぐ。

「パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)」技術
「パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)」技術

 NTTが2019年に、限界を打破し、大きなイノベーションを実現するために発表した「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network=アイオン)構想」に端を発しており、「まさに音響の常識の限界を打破できた。この技術が社会や人々の暮らしを変える可能性を感じて新会社を設立した」(日本電信電話 代表取締役副社長の川添雄彦氏)とNTTソノリティ設立の経緯を話した。

 イヤホン本体は、口径12mmのユニットを搭載し、耳掛け式で、耳穴に載せるような形で装着すると、音楽とともに周囲の話し声がしっかりと聞き取れる。コードの長さは1.2mになり、3.5mm4極ステレオミニプラグで音楽プレーヤーなどとつなげる。

「nwm MWE001」
「nwm MWE001」

 「ハードウェアの工夫に加え、ソフトウェアによる干渉制御をすることで、オープン型ながら音を閉じ込めることに成功した。コロナ禍でリモート会議や動画配信が普及し、イヤホンを装着するライフスタイルが定着したが、課題も多くある。例えば長時間使用による耳の疲労。家族がいても耳が塞がれていることによってコミュニケーションがとれないなども課題の1つで、それを見過ごしている現状がある。NTTソノリティはこのような音の課題を解決し、人々が幸福で豊かな生活ができることを目指している。追求したいのは、没入感ではなく、周囲とつながる気持ちよさ」(坂井氏)とする。

 7〜8月には、「グリーンファンディング」でクラウドファンディングを実施。目標額50万円に対し、約1500万円を集めた。「新しい技術を搭載したモデルなので、技術的な面でのフィードバックを含め、クラウドファンディングで意見を聞いてから一般販売したいと考え、このような販売手法をとった」(坂井氏)とのこと。

 2023年春には、完全ワイヤレスタイプの「nwm MBE001」の発売を控えるが、こちらも国内はグリーンファンディング、米国ではIndiegogoでクラウドファンディングを実施する予定だ。

2023年春には、完全ワイヤレスタイプの「nwm MBE001」を発売予定
2023年春には、完全ワイヤレスタイプの「nwm MBE001」を発売予定

 PSZの活用については「スマートフォンは日本製の端末の数が減ってしまった。ここにPSZという新たなイノベーションを加え、大きなビジネスにしていきたい」(川添氏)と、既存のNTT事業との連携も見据える。

 「イヤホンは一人で音の世界にどれだけ没入できるかを競ってきた。それに対し、パーソナルイヤースピーカーと名付けたnwmは、周囲とつながることを重要視している。人と人、社会と社会がシームレスにつながる環境を整えていきたい。目指すのは『Work from Home』シーンで選ばれるナンバーワンブランドになること」(坂井氏)と目標を定める。

 現在は日本のみの販売となっているが、将来的にはグローバル展開も見据え、伊藤忠商事との業務提携も結んでいるとのこと。2025年にグローバルで400億円の売上を目指す。

左から、NTT 代表取締役副社長の川添雄彦氏とNTTソノリティ 代表取締役の坂井博氏
左から、NTT 代表取締役副社長の川添雄彦氏とNTTソノリティ 代表取締役の坂井博氏

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