大阪・関西万博で大阪創業のサントリーとダイキンがタッグ--水と空気をテーマに水上ショー

 サントリーホールディングスとダイキン工業は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の未来社会ショーケース事業のひとつである「ウォータープラザ水上ショー」(仮称)に共同で協賛すると発表した。

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の未来社会ショーケース事業のひとつである「ウォータープラザ水上ショー」(仮称)に共同で協賛する(提供:2025年日本国際博覧会協会)
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の未来社会ショーケース事業のひとつである「ウォータープラザ水上ショー」(仮称)に共同で協賛する(提供:2025年日本国際博覧会協会)
水上ショーのイメージ
水上ショーのイメージ

 ウォータープラザは、シグネチャーパビリオンに隣接する憩いの空間であり、約3万平方メートルの三日月形の形状で、大屋根リングの内側部分となる。ここを舞台に、水と空気をテーマにした水上ショーを開催。会期中の184日間に渡って毎日行われる。客席数などは現時点では未定だ。

ウォータープラザは大屋根リングの内側の三日月の水上部分になる(提供:2025年日本国際博覧会協会)
ウォータープラザは大屋根リングの内側の三日月の水上部分になる(提供:2025年日本国際博覧会協会)

 大阪で創業し、日本全国から世界へと事業を拡大してきた2社は、サントリーが「水と生きる」、ダイキンが「空気で答えを出す会社」というメッセージをそれぞれに発信。水と空気をテーマにした今回の「ウォータープラザ水上ショー」は、両社にとって、的を射たものだといえる。

 サントリーホールディングス 副社長の鳥井信宏氏は、「万博のテーマである『いのち輝く未来社会のデザイン』と、サントリーグループが掲げる『水と生きる』とは親和性が高く、その考え方に共感したことから出展を決めた。水への取り組みはサントリーにとって最も重要なテーマである。水と空気はあらゆる命にとって欠かせないものであり、地球環境において重要な課題である。ダイキン工業とタッグを組み、世界に向けたメッセージを発信することで、未来に水と空気を引き継ぐためにはなにができるのかを一緒に考えることができる。大阪創業の企業らしく、世界中から訪れる来場者を驚かせ、心を動かし、のちのちまで記憶に残ることをやりたい」と述べた。

サントリーホールディングス 代表取締役副社長の鳥井信宏氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)
サントリーホールディングス 代表取締役副社長の鳥井信宏氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)

 また、ダイキン工業 専務執行役員の竹中直文氏は、「世界中の人々が夢や可能性の広がる持続可能な未来を創造し、行動を起こすきっかけにしたい。ダイキンならではの技術で、世界中がワクワクする未来を表現する。また、未来につながる先進的なアイデアを具現化、実証する機会として、空気が可能にする未来の姿を発信する。さらに、万博への出展を通じて、大阪、関西を盛り上げ、街、社会、経済、人々を元気にする一助になりたいと考えている。命の源である水と空気は、自然や生活でも親和性が高く、人類共通の財産である。これを未来に渡す義務がある。2社のタッグによって、万博への来場者が水と空気のすばらしさや可能性を感じ、大切な資源について考えるきっかけになるショーを開催したい。デジタルも活用して、世界に発信したい」などと語った。

ダイキン工業 専務執行役員の竹中直文氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)
ダイキン工業 専務執行役員の竹中直文氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)

 共同での協賛については、サントリーからダイキンに提案をしたという。

 水上ショーの正式な名称や、具体的な内容については、決定次第発表することになるが、サントリーホールディングス 執行役員の堀江宏明氏は、「ウォータープラザは、海と空に開かれ、今回の万博を象徴する場所である。演出内容は検討しているが、開かれた場所でのショーらしく、文化、言語、国籍、年齢に関わらず、どんな人が見ても楽しめる、万博という世界のお祭りに相応しいと驚きとワクワク感のある楽しいショーにする」と述べ、「水と空気は、世界中の人々をつないでおり、人々が知らない可能性があり、未来を変えることができる。水と空気に正面から向き合っている両社が、そのためになにをすべきかを考える。そして、自然から託されたメッセージにどう応えるかといったことを、みんなで考えられるものにしたい。おもろいもん、やります」と語った。

サントリーホールディングス 執行役員の堀江宏明氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)
サントリーホールディングス 執行役員の堀江宏明氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)

 水上ショーで利用する水については、環境に配慮し、水道水ではなく、海水を使用することを前提に検討しているという。使用した海水は、海に戻すことになる。

 また、ダイキン工業 常務執行役員の米田裕二氏は、「ダイキンが屋内空間を中心に培ってきた空調や空気質の技術を、屋外へ展開し、来場する人たちがワクワクする未来の空気体験を具体化したい。水上ショーは、水と空気を通じて豊かになった私たちの生活と、それを未来につなげていくための物語になる。そのなかで、ショーと連動したインタラクティブな空気体験を提供する。会期中の真夏の時期でも観客席に冷涼感を与えたいとも考えている。従来は屋内でしか感じることができなかった空気体験を、屋外でも体験してもらえるようにチャレンジしたい」と述べた。

ダイキン工業 常務執行役員の米田裕二氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)
ダイキン工業 常務執行役員の米田裕二氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)

 一方、2025年日本国際博覧会 催事企画プロデューサーの小橋賢児氏は、「日本の万博は、科学技術の発展というイメージがあるが、今回の万博では、『いのち輝く未来社会のデザイン』をコンセプトにすると同時に、2025年には昭和からの100年が終わり、次の100年に命を紡いでいく重要なタイミングになる。大阪発祥であり、命の根源である水と空気を大切に扱っている企業とチャレンジができることは重要なことである。国内外で水辺のショーをやってきた経験がある。催事で盛り上げて、ワクワクし、鼓動が震えるような新しい未来に向けた命がつながる催事にしたい」とした。

2025年日本国際博覧会 催事企画プロデューサーの小橋賢児氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)
2025年日本国際博覧会 催事企画プロデューサーの小橋賢児氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)
観客席のイメージ (提供:ダイキン 工業)
観客席のイメージ (提供:ダイキン 工業)

 また、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 副事務総長の髙科淳氏は、「現在、137の国と地域、8つの国際機関が、万博に参加することを表明している。パビリオン出展企業や、8つのテーマパビリオンへの30社以上の協賛企業のほか、未来社会ショーケース事業においても第1弾として5社の協賛企業をすでに発表した。来週には日本で初めて今回の万博に関する国際会議を開催し、万博事業の具現化に向けた準備が本格化するタイミングに入ってきた」とし、「未来ショーケース事業は、万博のコンセプトである『いのち輝く未来社会のデザイン』に向けて、様々な企業に力を存分に発揮してもらうことで実現する事業である。今回の発表は第2弾となる。世界中の人々に感動を与え、記憶に深く刻まれるショーの実現を目指す。未来ショーケース事業は、引き続き、多数の企業や団体と協議を進めている。今後、事業概要や協賛社が決まり次第、第3弾、第4弾を発表する」と述べた。

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 副事務総長の髙科淳氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 副事務総長の髙科淳氏(提供:2025年日本国際博覧会協会)

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