衛星データを使った土地評価コンサルなどを手がける天地人は10月14日、シンメイとカカオやその他の農産品におけるフードバリューチェーンの構築や、関連する社会課題の解決へ向けた共同プロジェクトを開始すると発表した。
生産地から食卓までどのような過程をたどってきたかを明らかにする「トレーサビリティー」は、農林水産品を価値のある製品として生活者に届けるための必須情報になりつつある。
トレーサビリティを明らかにし、持続可能なフードバリューチェーンを構築することは、国際的な課題であるSDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・ガバナンス)、カーボンニュートラルの実現、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への転換として、重要になっている。
こうした社会環境の変化と課題に応えるため、同社の土地評価エンジンの「天地人コンパス」と、シンメイのトレーサビリティプリンティングシステムを活用し、共同プロジェクトを開始するという。
天地人コンパスは、地球観測衛星のビッグデータをはじめとするさまざまなデータをもとに、解析・可視化・データ提供を総合的に行う土地評価サービス。降水量などの気象情報や3Dマップに代表される地形情報、赤外線によって観測される地表面温度など、世界中のあらゆる場所のデータが取得可能。
また、農業生産から都市開発まで、さまざまな目的に合わせてカスタマイズ可能となっており、ビジネスにおいて最適な土地を宇宙からみつけられるという。
これまでに、宇宙から稲の栽培環境をモニタリングし、より美味しいお米の栽培を目指す「宇宙ビッグデータ米」プロジェクトや、キャンプ場候補地を宇宙から衛星で探すプロジェクト、複数の土地の類似性を気象の観点から評価するプロジェクトなどでの実績があるという。
なお、今回のプロジェクトでは、天地人コンパスによる「衛星ビッグデータ」×「トレーサビリティプリンティングシステム」により、カカオや農産品における持続可能なフードバリューチェーンの構築と関連する社会課題の解決を目指す。
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