「誰もいない世界は悲しい世界だ」。Metaの仮想空間「Horizon Worlds」に関する社内文書には、懸念の1つがそのように表現されていたと報じられている。Horizon Worldsは、同社が消費者に提供する主要メタバースサービスだ。
従業員からのメモを含む社内文書には、Horizon Worldsの訪問者数はMetaが期待していたほど多くなく、よく訪れていた人も最初の1カ月を過ぎると戻ってこなくなることが示されていると、The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間10月15日に報じた。
「Facebook」を運営するMetaのソーシャル仮想現実(VR)プラットフォームでは、ユーザーが同社のVRヘッドセット「Meta Quest」を装着して、お笑い劇場やコンサート会場などのデジタル空間をアバターとして巡ることができる。独自の仮想世界を構築することも可能だ。Metaはこのアプリを2019年に初めて披露し、2021年末に一般公開した。
Metaは、メタバースとして知られるより大きな仮想世界が、現在のソーシャルネットワークや、「Zoom」などのオンライン会議ツールに代わって、コンピューティングの未来になるとして、メタバースに大きく賭けている。Horizon Worldsはその主要な要素だ。
「次のコンピューティングプラットフォームは、これまでに存在したどのプラットフォームよりもさらにソーシャルでさらに人間的になる可能性があると確信している」と、Metaの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は10月11日、同社のカンファレンス「Meta Connect」の基調講演で語っていた。
ただしこれまでのところ、Horizon Worldsは何らかの問題を抱えているようだ。
Metaは当初、2022年末までにHorizon Worldsの月間アクティブユーザー数50万人を目指すとしていたが、その後その目標を28万人に修正した。しかし、現在の数字は20万人にも満たないと、WSJは上述の文書を基に報じている。WSJによると、Facebook、「Instagram」、「WhatsApp」など、Metaのソーシャルメディア製品を合計した平均月間ユーザー数は、35億人を超えているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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