Twitter買収に動くE・マスク氏、目指す「万能アプリX」とは?

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2022年10月14日 07時30分

 Elon Musk氏は米国時間10月3日、Twitterとの交渉を軌道修正し、1度は撤回した440億ドル(約6兆3000億円)での買収を再提案した。また、ソーシャルメディアプラットフォームについての自身のビジョンをほのめかし、「Twitter買収は、万能アプリ『X』の構築を加速させる」とツイートした。

Elon Musk氏
提供:Getty Images

 「万能アプリX」とは何なのだろうか。Musk氏は、Twitterを「WeChat」や「Grab Superapp」のようなアジアで人気のある多機能プラットフォームに並ぶ「スーパーアプリ」に変えるというアイデアを示したことがある。

 同氏は5月に出演したPodcast番組「All-In」で、米国にはスーパーアプリが必要だと語った。「Twitterをスーパーアプリに変えるか、新たなアプリを立ち上げるかにせよ、何らかの形で生み出す必要がある」

 「中国では、人々はWeChatで生活しているようなものだ。WeChatは何でもできる。TwitterとPayPal、その他のさまざまな機能が1つで実現でき、インターフェースも優れている。中国以外にはそのようなアプリは存在しない」(Musk氏)

 スーパーアプリは、ユーザーがコメントを残したり動画を投稿したりできる「デジタルな広場」として機能する必要があると同氏は続けた。プラットフォームが人々から高い信頼を得られれば、「仮想通貨や法定通貨の決済機能を持っても何もおかしいことはない」。

 Musk氏は6月、Twitterの従業員とのミーティングでもその考えを繰り返した。「(中国では)人々は基本的にWeChatで生活している。非常に便利で日常生活の役に立つからだ。Twitterでそれを実現できれば、あるいは近しいものができれば、大成功すると思う」と同氏は語った。CNNの記事によると、同氏はTwitterのユーザー数を2億人強から「少なくとも10億人」に増加させるという野望を示したという。

 Musk氏は10月4日に「間違っているかもしれないが、TwitterはXを3年から5年加速させるだろう」とツイートし、翌日の5日には「Twitterは、当初描いたX.comのビジョンの実現を加速させる」とツイートした

 Musk氏は1999年にX.comというオンライン銀行を共同創業している。X.comは他社と合併した後、PayPalとなった。同氏は2017年、PayPalからX.comのドメイン名を非公開の金額で再度取得している。

 その後、2002年にSpaceXを設立し、2015年にTeslaで電気自動車「Model X」を発売した。

 同氏はTwitter買収に備え、デラウェア州に3つの持ち株会社を設立しており、そのすべての社名に「X Holdings」が含まれている。

 米国で「スーパーアプリ」を立ち上げるのは、似た野心を持つ強豪らの存在を考えるに、そう簡単なことではないだろう。例えば「Facebook」と「Instagram」はEコマースに進出し、Snapchatはかつて個人間送金機能を提供していた。Amazonは日常生活のさまざまな場面に触手を伸ばし、Walmartは金融業に参入している

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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