Metaは同社が運営する「Facebook」や「Instagram」から、保守とリベラル双方の米国人を装った中国の偽アカウントを削除した。これらのアカウントは、米国の政治家らを批判し、銃規制や中絶のような論議を呼ぶ問題を取り上げていたという。同社が米国時間9月27日に明らかにした。
Metaのグローバル脅威インテリジェンスグループを率いるBen Nimmo氏は、「これらのアカウントは米国の言論に入り込むため、こうした大きな物議を醸す問題を利用していたようだ」と述べた。
Metaによると、11月の中間選挙を前に米国の政治に焦点を当てた中国の偽アカウントネットワークを同社が排除したのは今回が初めてだという。また、Metaが過去に取り締まった中国の影響工作とも異なると、Nimmo氏は指摘する。過去の米国選挙における中国の影響工作は、米国内よりも国外のオーディエンスに向けて米国を批判することに重点を置いていた。
Metaは、中国とつながりのある81のFacebookアカウント、8つのページ、1つのグループ、Instagramの2つのアカウントを削除したと述べた。これらのアカウントには、米国在住者をターゲットにしたものもあれば、チェコや中国語圏、フランス語圏など各国のオーディエンスを狙ったものもあった。Metaによると、これらのネットワークは小規模で、同社が排除するまで人々の関心をそれほど集めていなかったという。
Metaは、ロシアとつながりのある大規模な偽アカウントのネットワークを削除したことも明らかにした。同社によると、このネットワークは主にドイツ、フランス、イタリア、ウクライナ、英国を標的にしていたという。また、このネットワークは、Metaが「ウクライナ戦争の開戦以降に崩壊させた最も大規模かつ複雑なロシアの工作」だという。
ロシアの工作では、ドイツのニュースサイトDer Spiegelや英国のThe Guardian紙など、欧州のさまざまなメディア機関に偽装した60以上のウェブサイトを運営していた。今回の削除に関するMetaのレポートによると、これらの偽ウェブサイトは、「ウクライナとウクライナの難民を批判して、ロシアを賛美し、ロシアに対する西側諸国の制裁は裏目に出ると主張する」記事を投稿していたという。ロシアの工作では、Facebook、Instagram、YouTube、Telegram、Twitter、Change.org、Avaaz.com、LiveJournalにもアカウントが作成され、複数の言語で投稿が行われていた。
Metaは、ロシアの作戦に関連する1633のFacebookアカウント、703のFacebookページ、1つのグループ、29のInstagramアカウントを削除した。
「いずれのネットワークも早い段階で発見され、当社のプラットフォームでオーディエンスを獲得する前に削除された」とNimmo氏。「しかし、悪人たちが諦めることは決してないため、私たちは皆、今後も警戒し続ける必要がある」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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