大日本印刷(DNP)は9月26日、スポーツマーケティングラボラトリー(SPOLABo)と共同で、スポーツ観戦を盛り上げる情報配信サービス「観戦ナビ」(仮称)を開発したと発表した。
同サービスでは、観戦に関する体験価値の向上を目的に、ルールや出場選手の情報などを試合展開に合わせて観客のスマートフォンへ配信できる。観客は専用のアプリをダウンロードする必要がなく、ウェブサイトにアクセスするだけで手軽に利用できるという。
画面デザインは大型映像装置を備えたスコアボードを模しており、観客は試合の臨場感を得られるという。スポーツ観戦に必要な情報に簡単にアクセスできるため、観客、ファンが観戦から得られる体験価値の向上に寄与できる。
場内アナウンスが聴き取りにくい、スコアボードの文字が読みにくいといった観客に対してもスマートフォンで試合情報を配信することで、情報への良好なアクセシビリティを確保できるとしている。
また、配信環境はクラウドサービスとして提供するため、スポーツ大会の主催者などは、大規模な設備投資を行わずにインターネットに接続したPCのみで利用を開始できるという。
スポーツ競技を統括する競技団体や協会は、ファンの獲得と関係強化などに向けて、さまざまな地域で試合を開催している。しかし、得点や選手名などを表示する映像装置が常設されていないスタジアムやアリーナも多く、スポーツ興行に適した会場の確保が課題になっている。
さらに、会場を提供する地方公共団体などでは、地域活性化に寄与するスポーツイベントの開催を歓迎する一方で、設備投資予算が確保できずに、プロチームなどによる大規模なスポーツ大会が開催しにくいといった課題もあるとしている。
こうした課題の解決に向けて、映像コンテンツの企画、制作などを手掛ける同社と、スポーツビジネスを熟知し競技特性に応じたソリューションを提供するSPOLABoが共同で、試合情報を随時、観客のスマートフォンに配信する同サービスを開発したという。
日本女子ソフトボールリーグ機構(JD.LEAGUE)の協力のもと、岩手県の一関運動公園野球場で10月1日と2日に開催する女子ソフトボール「ニトリ JD.LEAGUE 2022 JTBツアーゲームズ第13節」の4試合において、今回開発したサービスの実証実験を実施する。
実証実験を通じて同サービスに関する観客や大会主催者のニーズおよび、配信技術などを検証。2023年度中の本格サービス実施を目指すとしている。
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