実店舗のサイネージにも進出--縦型動画「Firework」共同創業者Jerry Luk氏インタビュー

小口貴宏 (編集部)2022年09月27日 11時45分

 縦型動画サービスの「Firework」を展開するLoop Now Technologiesの共同創業者Jerry Luk氏がCNET Japanの単独インタビューに応じた。同社は「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」から190億円を調達したことでも話題となった。


Firework

 米シリコンバレー発の同社は、B2Bの縦型動画サービスを展開している。ユーザー企業はFireworkを利用することで、サーバー代などの負担不要で、自社のウェブページやアプリに縦型動画やライブコマース機能を埋め込める。さらに、動画から特定ページへ誘導することもできる。SaaS形式で、マーケティング担当者がノーコードで導入できる手軽さも売りにしている。

 直近では、世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートが、ECサイト内にFireworkを導入すると発表している。

なぜインスタやYouTubeではなくFireworkなのか

 ウェブページに動画を埋め込む場合、YouTubeやInstagram、TikTokなどといった大手SNSを利用する方法もある。それらの大手サービスを差し置いて、なぜFireworkを利用すべきなのか。Luk氏は次のように説明する。


Firework共同創業者のJerry Luk氏

 まず、YouTubeやInstagramなどの大手SNSと比べて、より深い顧客データを取得できるという。Fireworkでは、ライブを視聴しているユーザーの行動をリアルタイムで把握できるという。

 また、顧客企業が自前で管理しているIDや、Googleアナリティクスで得たデータを、動画の視聴データと紐付けられる。Luk氏は「どんなお客様がどの動画を見て購入に至ったのか。ユーザー情報と行動情報と購買情報をまとめて得られる。これはYouTubeやInstagramでは到底実現できない」と説明する。

 加えて、Appleが2021年に導入した「App Traking Transparency」(ATT)では、アプリの提供側がユーザーの許可を得ずにユーザーの行動を追跡することが禁止された。サードパーティーのサービスでは顧客データの収集が困難となっている中で、Fireworkを用いて自社媒体上で顧客データの一次情報を握る重要性が高まっていると話す。

 さらに、FireWorkで取得したデータを用いることで、マーケティングのコスト削減や、商品開発にも活かすことができるという。

 「『各動画のうち、この商品の動画は反応が良好だから実店舗でも売れるだろう』などの予想が容易かつ正確に行える。また、動画でさまざまなメッセージを試せるため、『どの顧客にはどんなメッセージが良いか』の最適解をみつけられる」(Luk氏)

「他社の商品をレコメンドされるリスク」も低減

 Fireworkには、自社のウェブページを訪れたユーザーを自社プラットフォーム内に引き止められるメリットもあるという。

 「たとえば、Instagramでプロダクトを販売したとする。お客様は興味をもってくれるかもしれない。しかし、翌日になると、Instagramはそのデータを活用して、そのユーザーに私のプロダクトではなく、私のプロダクトに似た商品をどんどんレコメンドして、結局彼らの売り上げを助けることになる。それではブランドは全然得をしない」(Luk氏)

 YouTubeやInstagramに動画をアップした場合、自社に資産が蓄積されない点も問題だという。「SNSで商品動画を見た客は、自社のブランドではなく、SNSの客になってしまう」とLuk氏は語る。

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