価格的にはミッドレンジのApple Watch Series 8に欠けている大きな要素の1つが、バッテリーの持続時間だ。バッテリー持続時間を長くしたいのであれば、Apple Watch Ultraなら1回の充電で推定約36時間持続する。ただし、価格は799ドル(12万4800円)だ。大きいうえに堅牢であり、米CNETの見解では、その機能は本格的なアウトドアモデルとして価格に見合っている。
Apple Watchは、就寝中も着用し続けるタイプのデバイスへと変わりつつあるので、バッテリー持続時間の重要性は増している。睡眠記録は、watchOS 9の充実した機能の一部であり、皮膚温データは寝ている間一晩中記録する必要がある。にもかかわらず、Apple Watchのバッテリーが依然として1日半ほどしかもたないのは問題だ。フル充電には約1時間半、80%充電でも45分ほどかかるが、いつ充電すればいいのだろうか。就寝前か、起床後のシャワー中か、それとも仕事中にデスクでだろうか。
筆者はある晩、フル充電したApple Watch Series 8を着用したまま就寝し、翌日も1日中ずっと着用して、また就寝した。翌朝のバッテリー残量は34%だった。1回の充電で1日あるいはそれ以上使えることにはなるが、Apple Watchには専用の充電器が必要なので、充電器がない場所でバッテリーが切れないように注意する必要がある。
筆者は、充電は就寝中するのが好みだ。あるいは、Oura RingやFitbit Senseのようにバッテリー持続時間が長いウェアラブルデバイスなら、充電を気にせずに数日間は着用していられる。その点、Apple Watch Series 8はどっちつかずのように感じられる。新機能の低電力モードも実用性に欠ける。持続時間を延ばすために、皮膚温と心拍数の測定機能をオフにするからだ。もしかすると、モードを何度も切り替えればいいのだろうか。いずれにしても、「バッテリーの大型化」は、次の「Apple Watch Series 9」で一番に実現してほしい改良だと思う。
低電力モードは、まだあまり使っていないが、今後数週間で、バッテリー持続時間にどのくらいの効果があるのか試してみたい。
Apple Watch Ultraは、より堅牢な設計で、バッテリー持続時間と耐水機能も向上したモデルだ。こちらの方がいい選択だろうか。新しいApple Watch SEは、血中酸素濃度測定、心電図、常時オンディスプレイ、皮膚温センサーの機能がないものの、それほどの多機能を必要としない人であれば、いい選択肢かもしれない(ただし、常時オンディスプレイ機能がないのは、やはり理想的とは言えない)。そして、皮膚温の記録は、排卵周期の記録とともに、経時的に有用だと感じられるようになるのだろうか。
Apple Watch Series 7、あるいはApple Watch Series 6でも既に持っているのであれば、Series 8にアップグレードする理由はあまりない。それでも、Apple Watch Series 8は、Apple Watch Ultraにアップグレードしなくても充実した機能が利用できる、Appleのラインアップでは最も完成度の高いスマートウォッチだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)