NTTドコモ、HARTi、Amuseum Parksの3社は、メタバースとNFTを活用したOMO(オンラインとオフラインの融合をめざすマーケティング施策)の実証実験を開始した。
この実証実験では、東京銀座にある「アートアクアリウム美術館 GINZA」をイメージしたメタバース空間「Art Aquarium World」を構築した。なお、メタバースと言ってもVR技術は用いておらず、タブレット画面で楽しめる純粋な3Dゲームとなっている。
また、このメタバース空間を楽しむには、同美術館に直接来場する必要がある。メタバースは2022年12月31日まで体験できる。オンラインで体験できない理由についてNTTドコモは「メタバースは一般の方には流行っていない。しかし、一度触ると家からもアクセスしたいという方が多いこともわかっている。そのため、まず美術館で触っていただくという形にした」と説明した。
メタバース内のゲームをクリアすると、先着300人限定で、同美術館をモチーフにした限定NFTを入手できる。NFTを入手する際には、HARTiが提供するNFTウォレット(Android / iOS)をスマートフォンにインストールすることが求められる。
今回の実証実験では、このNFTがOMO施策の肝になるという。HARTiのNFTウォレットは、NFTを取得したユーザーに対して、メッセージやクーポン、eチケットを送付できる機能を備えている。
「NFTはこれまで投機として注目されていたが、我々はマーケティングの観点で使い道があると考えている。日付を刻んだコインやボールペン、ティッシュなどといった物理的なノベルティをNFTで代替できる。また、(HARTiのウォレットを活用して)NFTを取得したお客様に後日コンタクトしたり、NFTコレクションから趣味趣向を判断してアプローチもできる」と担当者は語る。
メタバース空間の作成には、NTTドコモが開発した3次元画像処理技術を活用。対象物を様々なアングルから撮影した複数枚の写真を組み合わせるだけで、写真にないアングルも見られる3Dコンテンツを作成できるという。
NTTドコモは「1から3Dでモデリングする必要なく、写真を撮影するだけで、一気通貫でメタバース用の3Dオブジェクトを作成できる。時間とコストを大幅に削減できる。また、LiDARでは透明な部分に対応できないが、写真を使っているので透明な部分や質感まで再現できる」と話す。
NTTドコモは今回の実証実験を通じて、この3次元画像処理技術のさまざまな分野への応用を目指すとしている。
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