レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」を運営するエブリーは8月8日、シリーズEラウンドにおいて、加藤産業と旭食品を引受先とする総額24億円の資金調達を実施したと発表した。これにより、累計資金調達額は約133.3億円となった。
今回調達した資金については、食品卸との連携強化に活用する方針。また、DELISH KITCHENをはじめとするオンラインメディアに加え、「リテールメディア」である店頭サイネージのさらなる拡大と、店舗販促機能などを搭載した小売アプリの開発・導入に注力していくという。
同社は、2015年よりDELISH KITCHENの運営を開始。2018年からは、食品スーパー向けにレシピ動画の配信が可能な店頭サイネージを提供している。店頭サイネージについては、現在の導入店舗数は1800店舗以上・設置台数5500台以上となっており、ユーザーの買い物体験の向上に貢献している。
また、「購買に最も近い広告」として配信が可能なストアビジョン広告は、多くのメーカーが利用し、日本最大級の店頭サイネージ広告プラットフォームとして多くの出稿実績を有しているという。
加えて、来店客の約6割が献立を決めずにスーパーで買い物をする「非計画購買」といわれている中で、店内での献立提案やパーソナライズ化された販促による、効率的な買い物体験の提供についても対応を進めている。
同社によると、消費者ニーズを解決しながら効率的な店舗運営が可能になる販促DXに対する関心や、選ばれる店舗づくりのため店内だけでなく、来店前・購入後など店外でも継続的な接点を持つことへの関心が高い小売業が増えているという。
こうした課題に対して、「リテールメディア」である店頭サイネージのさらなる拡大と、店外での接点を創出する小売アプリの開発・導入を推進していく。
店頭サイネージでは、導入拡大とともにAIカメラやビーコン連携を行い店内行動をデータ化。実際の視聴者層や視聴維持率をもとに、売上拡大に向けた改善提案を実施する。
小売アプリでは、レシピ動画コンテンツの掲載やユーザー送客など、DELISH KITCHENのアセットを最大限活用しながら、ネットスーパーやWebチラシ、クーポン、ID連携などを基本機能として備えたオープンプラットフォームによるサービス提供を行う。
また、アプリで得られる行動データ、小売業が持つ仕入れデータやPOSデータにDELISH KITCHENの1st Party Dataを融合するデータ閲覧ダッシュボードを構築。分断されていたデータを横断的に分析できるようにすることで、データに基づいた販促の効果検証を実現し、店舗運営の効率化や売上の最大化を支援する。
さらに、オンラインメディアとリテールメディアを組み合わせることで、データに基づいた効果検証を実現し、店舗運営の効率化や売り上げの最大化を支援していく。
リテールメディアの導入については、伊藤忠食品に続き、今回新たに加藤産業、旭食品と協業を開始。小売接点・売場提案力を持つ食品卸とのパートナーシップを築き、日本全国のスーパーへの導入を推進していく。
今後は、さらなるマーケティング・広告の最適化を目指し、店頭サイネージで広告配信が可能なストアビジョンに加え、小売アプリなどのリテールメディアへの広告メニューも拡充を予定。これにより、メーカー商品の広告・販促の最適化、小売業のLTV向上と新たなメディア収益の創出を目指すとともに、オンライン・オフラインが融合した新しい買い物体験を提供するとしている。
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