Web医療情報提供サービスを運営するUbieは7月27日、シリーズCファーストクローズにて、35億円の資金調達を実施したと発表した。同ラウンドでは、新規投資家として農林中金キャピタル、NVenture Capital(NECキャピタルソリューションの100%子会社)、第一生命保険、エッグフォワードなど、既存投資家としてスズケンを引受け先としている。なお、累計調達額は79.8億円。
同社は、生活者・患者と医療機関双方への直接的接点を有するスタートアップ企業。AIをコア技術とし、医療の入り口である「問診」にフォーカスした3つのサービスを提供している。
生活者・患者向けには、疾患の早期発見・医療機関への受診支援を目的として、気になる症状から関連疾患と疾患に関する詳細情報、近隣の医療機関などの医療情報を調べられる症状検索エンジン「ユビー」を提供。サービス開始から約2年で、月間500万人が利用するサービスへ成長しているという。
医療機関向けには、病院・クリニックでの問診のデジタル化と病名辞書により、医療現場の業務効率化をサポートする「ユビーAI問診」を提供。2018年の提供開始以来、全国1000以上の医療機関が導入している。
2021年には、生活者・患者と医療機関をデータ連携する事前Web問診サービス「ユビーリンク」の提供を開始。1万5000以上の医療機関が登録しているという。今後は、生活者・患者と医療機関の連携だけでなく、製薬企業との連携も強化する方針だ。
健康長寿社会の実現に向けて、疾患の早期発見・早期治療開始が長年重要視されているが、まだ多くの課題が残っている。同社の医療プラットフォームを通じて、製薬企業が持つ疾患・医薬品についての情報や科学的知見を、生活者・患者と医療機関にとって必要なタイミングで届け、それぞれの課題を解消する医療体験の創造を目指す。
今回調達した資金については、製薬企業向け事業の人員増強に充当する。2021年末の組織立ち上げから既に国内外の大手製薬企業20社以上との取引があり、今回の資金調達を機に事業開発および、グロースを一層加速する方針。
加えて、医療機関の喫緊の課題である働き方改革・業務効率化を支援するための医療機関へのユビーAI問診の導入と、医療機関向け事業の人員も増強する。
また、生活者向けサービス症状検索エンジンユビーのシステム開発ならびに、さらなる認知度向上を目的としたマーケティング施策の実施にも充当するという。
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