Amazonは米国時間7月21日、ヘルスケア事業を拡充する取り組みの一環として、One Medicalを買収すると発表した。One Medicalは、米国の十数都市で150を超えるプライマリーケア診療所を運営するほか、オンラインとモバイルのサービスを提供している。Amazonは、1株あたり18ドルで同社を買収する予定で、買収金額は約39億ドル(約5400億円)となる。
規制当局とOne Medical株主らの承認が必要だが、この買収が成立すれば、「Amazon Care」ブランドを通じてAmazonが既に提供しているプライマリーケアサービスが大幅に拡大することになる。
One Medicalは、個人加入者と、雇用主による福利厚生として加入する労働者にサービスを提供している。24時間対応のオンライン医療に患者が素早くアクセスできるようにすることや、簡単に診察を予約できようにすることを目指している。Amazon Careは現在、Amazonの本拠地であるシアトルとバージニア州アーリントンを含む8都市で医療サービスを提供しており、ニューヨークやサンフランシスコなどの主要都市への拡大が予定されている。
「One Medicalのサービスは25の米国市場で80万人弱の加入者を擁するため、(Amazonの)プレゼンスははるかに強化されることになる」と、Insider IntelligenceのアナリストであるRajiv Leventhal氏は述べ、この買収によってAmazonは、プライマリーケアへの事業拡大を目指すCVS HealthやWalgreenと互角に競争することになるとした。
現在、Amazon Careの患者は、インフルエンザや新型コロナウイルスの検査、ワクチン接種、予防治療、さまざまな症状に対する処方や治療を在宅で受けられるほか、オンライン診療を予約できる。
Amazonは、2019年にAmazon Careの提供を開始。2020年には独自のオンライン薬局「Amazon Pharmacy」を米国で開設した。これは、保険加入の有無にかかわらず、処方薬を販売して顧客の自宅に届けるというもの。プライム会員は、特別割引と2日以内の無料配送が受けられる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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