Amazonは音声アシスタント「Alexa」の新機能を開発中だ。特定の人の声で会話できるようになり、例えば、亡くなった愛する人をしのぶことを支援するという。Alexa AI担当バイスプレジデント兼主席サイエンティストのRohit Prasad氏は米国時間6月22日、「re:MARS」カンファレンスでこのスキルについて概説した。
同氏は、少年が「Amazon Echo」スピーカーに話しかける短い動画を紹介した。「Alexa、おばあちゃんに『オズの魔法使い』の続きを読んでもらってくれる?」と、少年が話しかけると、女性の声が読み聞かせを始める。その少年の亡くなった祖母の声だと、Prasad氏は述べた。
「Alexaについて私が最も驚いたことの1つは、Alexaと私たちの間に深い交友関係が築かれていることだ」と同氏は語り、「人間が持つ共感と感情は、信頼を築くための鍵となるものだ。パンデミックが続き、私たちの非常に多くが愛する誰かを失ったこの時代において、それらはますます重要になっている。AIは喪失の痛みを消すことはできないが、思い出を持続させることは確実にできる」とした。
同氏はこのスキルが提供される時期には触れず、これに「取り組んでいる」とだけ述べた。Amazonの広報担当者は米ZDNetに対し、提供時期について共有できるそれ以上の情報はないとした。
実在の人物の声を再現することの倫理に関する多くの疑問が既に生じているが、AmazonのシニアPRマネージャーであるNate Michel氏は米ZDNetに対し、これは「初期の段階」にあり、この技術は「現段階では試験的なもの」であることを強調した。
Prasad氏によると、このように声を生成するにあたり技術的な課題があったという。なぜなら、何時間にもわたるスタジオでのレコーディングではなく、1分未満のレコーディングで高品質な音声を生成する必要があるためだ。同氏のチームは、これを音声生成ではなく音声変換のタスクとして扱うことで、この課題に対処した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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