ソーシャルメディアを命綱として頼りにしているLGBTQの人々は多い。だが、主要なプラットフォームがクィアコミュニティを失望させている現状が、米国のLGBT権利擁護団体GLAADによる最新のレポートで明らかになった。
GLAADが米国時間7月13日に公開した「2022 Social Media Safety Index」は、「Facebook」、「Instagram」、「Twitter」、「YouTube」、「TikTok」という5つのサービスプラットフォームを、ジェンダー代名詞の選択肢、ヘイトや嫌がらせからの明示的な保護、差別的、あるいは有害だと思われる広告の禁止といった基準で評価したものだ。
5つのサービスが獲得したスコアは、トップのInstagramが48%、最下位のTikTokが43%と、いずれも100点満点で50点にも満たなかった。
GLAADのレポートは調査対象のプラットフォームはヘイトに基づく表現を抑制するツールを用意しているが、「実際にはLGBTQの人たちの安全や命よりも利益を優先している」としている。
ただし、GLAADでソーシャルメディアセーフティ担当のシニアディレクターを務めるJenni Olson氏は、TwitterとTikTokについて、トランスジェンダーやノンバイナリーの人々に対する意図的なミスジェンダリング(本人が自認する性と異なる扱いをすること)やデッドネーミング(名前を変更した本人の合意なしに変更前の名前を使用すること)を禁じるポリシーを導入した点を賞賛している。
Olson氏は他のプラットフォームにも同様のスタンスを取るよう促し、「反トランスジェンダーの表現やこうした人たちに対する攻撃がまん延している現状」では特に優先すべき取り組みだと指摘した。
さらに、ユーザーが自分を表現するためのツールを増やすこと、LGBTQユーザーを保護するポリシーの適用状況に関する透明性を高めること、サードパーティーの広告主に対してユーザーの性的指向や性自認に基づくターゲティングを禁止することなどを推奨している。
レポートでは、ソーシャルメディアで差別に対する保護が十分に提供されていないと感じるとしたLGBTQの成人の割合は84%に達していた。また、40%の回答者が、これらのプラットフォームで、歓迎されていて安全だと感じることができないと述べている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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