CO2排出量可視化、削減サービスプラットフォーム「e-dash」を手掛けるe-dashは、カーボンクレジットを少量から購入できる新サービス「e-dash Carbon Offset」を提供開始すると発表した。1トン単位はもちろん、それ以下の少量からでも購入が可能だ。
カーボンクレジットは、温暖化ガスの排出削減効果を取引できるかたちにしたもの。企業では、再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の良い機器の採用、森林管理などによるCO2吸収への取り組みなど、直接的なCO2削減手法で炭素排出ゼロを達成することは困難なため、自社内で削減ができない排出量の全部または一部を埋め合わせられるカーボンクレジットの活用に注目が集まっている。
e-dash Carbon Offsetは、オンラインで少量からカーボンクレジットが購入できるサービス。購入したカーボンクレジットには、認証機関の名前が明記されるほか、購入後、e-dashから証明書を発行する。「大企業のようにバルクで購入できればいいが、それでは中小企業には多い。本当に必要な量を購入できる形にした」(e-dash 代表取締役社長の山崎冬馬氏)とe-dash Carbon Offsetのメリットを説明する。
今回のサービスが実現できたのは、米国サンフランシスコでボランタリークレジットのマーケットプレイスを運営するPatch(パッチ)との提携によるもの。すでに導入している、脱炭素社会を推進する共創型プラットフォーム「Earth hacks」では、どうしても排出されてしまうCO2相当量を、e-dash Carbon Offsetを通じてオフセットし、実質のCO2相当排出量をゼロにする取り組みをしているという。
e-dashは、三井物産のスタートアップ事業として2月に設立。CO2排出量可視化、削減サービスプラットフォームであるe-dashは、毎月のエネルギー関連の請求書をスキャンしてアップロードするだけで、CO2排出量の可視化が可能だ。
「CO2削減について、あらゆる企業や業種の経営層が重要な課題と認識しているが『何からやっていいのかわからない』とする企業担当者は非常に多い。取り組んでいても、データを集めて表計算ソフトで集計しているのが実態で、手間もかかる。CO2排出量における可視化のハードルを下げることに注力したのがe-dash。可視化して終わりではなく、省エネ、創エネから削減まで脱炭素を支援していく」(山崎氏)と一気通貫での体制を整える。
e-dashでは、地域の脱炭素化において大きな役割を担う金融機関と組み、取引先企業における脱炭素の取り組みを支援。現在25行以上と提携している。「金融機関を通して多くの引き合いをいただいている。今後も引き続き関係を深めていきたい。e-dash Carbon Offsetは2022年度中に100件の成約を目標にしている」(山崎氏)とした。
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