Elon Musk氏率いるSpaceXは米国時間7月8日、新たな取り組み「Starlink Maritime」を発表した。その名の通り、高い評価を得ている同社の衛星インターネットサービス「Starlink」を海上でも利用できるようにしたものだ。SpaceXはこの技術について、最大ダウンロード速度350Mbpsを実現する高速かつ低遅延のインターネットを提供すると述べており、これは陸上における多くのブロードバンドインターネット接続より優れている。
Starlink Maritimeはハードウェアの初期費用が1万ドル(約136万円)で、その後は利用する月だけ月額5000ドル(約68万円)の料金がかかる。かなり高額に思えるかもしれないが、船の所有者にとっては格安と言えるだろう。世界一の富豪とされるMusk氏が興奮を隠せない様子で発表したのも、おそらくそのためだ。
SpaceXが海上でのインターネット接続サービスに参入した今回の動きは、宇宙旅行の分野で注目を集めるMusk氏のベンチャー事業の新たな展開となる。同社はすでに、YouTubeで話題になる定期的なテスト飛行や、貨物および米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士らの輸送契約などを通じて有名になっている。
SpaceXはStarlinkでインターネット接続サービスに進出した。当初はハードウェアおよびセットアップ料金499ドル(約6万8000円)、月額料金99ドル(約1万3000円)で家庭向けサービスの提供を開始し、5月にはRVやキャンピングカーなどの大型車両向けのインターネット接続サービス「Starlink for RVs」も開始した。
Starlink Maritimeはこうした取り組みを基盤にしているが、現時点で利用できるのは米国本土、メキシコ、欧州、南米の一部、オーストラリア、南太平洋の各沿岸に限られる。2022年中に南米の南半分のほか、北米の大部分、中欧、北アフリカを含む緯度帯でサービスを提供する計画だとしている。さらに2023年初めには、残りの海域でも対応する計画だという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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