Avallone氏と議論した後、Argentiさんはワクチンが「安全かつ効果的であるだけでなく、接種することは宗教的に良いことであり、必要なことである」と気づいた、と述べている。そして、科学的な証拠に基づいて他者を保護するためにワクチンを接種する「宗教的な義務」を感じた、と語った。
TwitchもYouTubeも各社のプラットフォーム上で誤情報の拡散を阻止しようと努めているが、ディベート配信者は議論する相手に事欠かない。どちらのサイトも、誤情報を広めて、陰謀論や虚偽の主張をファンに共有する人々であふれている。
Avallone氏が視聴者の支持を得ることに成功したのは、保守的な活動家から進歩派のシンパに転向した自身の経験が理由かもしれない。同氏は今から6年以上前に台本のある動画の制作を開始し、保守派の若手YouTubeスターとみなされていた。同氏の作ったコンテンツは、右派の話題を取り上げており、体系的な人種差別や男女平等といった進歩的な問題をたびたび標的にしていた。2019年、同氏は自分の政治的な立場について疑問を感じ始める。
「私は、多くのデータや情報に加えて、それまで聞いたことのなかったテーマにも触れた」とAvallone氏。「そうしたすべての情報と、私生活で起きていたことがきっかけとなって、自分の信じていることを考え直すようになった」
Avallone氏は最終的に自身の政治的思想を完全に変えた。そして、台本のある動画を投稿する代わりに、ライブ配信をするようになった。視聴者とのつながりや、会話の自由な流れを楽しんでいるという。2020年末、同氏はYouTubeとTwitchで政治に関するライブディベートを始めた。当時の米国では、政治の二極化が極限まで進んでいた。
Avallone氏は、自分のパフォーマンスを分析して、さまざまな言葉によるアプローチを編み出している、と話す。2021年のコロナワクチンに関するArgentiさんとの議論では、聖書についての知識を駆使して、ワクチンは悪魔によって作られたという意見に反論した。
「あのときのアプローチは最善のものだったと今でも信じている。ワクチンが獣の刻印だという考えは、実際には聖書の記述と矛盾するからだ」とAvallone氏。当時のArgentiさんがそう信じていたように、悪魔が作ったとみなされるものが、人々を救うために使われるというのは道理に合わない、とAvallone氏は振り返る。
Avallone氏はArgentiさんの突飛な意見に動揺したが、人格を攻撃したり、侮辱したりすることはしなかった。代わりに、Argentiさんに歩み寄って、慎重かつ真剣に質問に答えた。
Avallone氏によると、同氏の討論や動画を見て陰謀論についての考えを改めた人々や、極右保守主義から離れた人々からメッセージが届いているという。人々の考えを変えることは、励みになるし、満たされた気持ちになる、と同氏は語った。
「陰謀論や偏見に満ちた考え、危害につながりかねない極端な宗教的信念から人々を救うたびに、私はその重要性を強く実感する」(同氏)
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