ソニーの知見と技術を活用したプレミアムな商品を--ゲーミングギア「INZONE」参入の狙い

 ソニーは6月29日付けで、ゲーミングギア業界へ参入することを発表。「INZONE(インゾーン)」ブランドを立ち上げ、ゲーミングモニターとゲーミングヘッドホンの2ジャンルで新製品を発売する。同日にメディア向け説明会を開催し、参入の狙いやブランド設立の意図などを紹介した。

「INZONE(インゾーン)」第1弾で投入するゲーミングモニターとゲーミングヘッドホン
「INZONE(インゾーン)」第1弾で投入するゲーミングモニターとゲーミングヘッドホン

 第1弾として投入されるのは、ゲーミングモニター「INZONE M9/M3」の2モデルと、ゲーミングヘッドセット「INZONE H9/H7/H3」の3モデル。製品概要については、6月29日付けで掲載した記事に記載されている。

ソニー、ゲーミングギア「INZONE」を発表--モニターとヘッドセットをラインアップ(6月29日掲載)

 登壇したソニーマーケティング ゲーム事業推進室 室長の麥谷周一氏は、まずブランド名をINZONEとしたことについて説明。アスリートが極限の状態で集中力を高めた状態を「ゾーンに入る(in the zone)」という言い方をすることに着想を得たという。よりゲームに集中し、最高のプレイパフォーマンスをプレーヤーに発揮してほしいこと。それをサポートするギアとして提供するという思いを込めてネーミングしたと語る。これを踏まえて、キャッチコピーを「INTO YOUR ZONE」として展開することも付け加えた。

ソニーマーケティング ゲーム事業推進室 室長の麥谷周一氏
ソニーマーケティング ゲーム事業推進室 室長の麥谷周一氏

 ソニーでゲーム関連というと、プレイステーションを代表するコンシューマ向け機器のようにも思われるが、PlayStation 5との連携機能は有するものの、INZONEは、あくまでPCゲームユーザーをターゲットとした商品展開を行うと語る。

PlayStation 5との連携機能
PlayStation 5との連携機能

 その理由として、昨今におけるeスポーツの拡大を挙げた。近年では大型のイベントや大会も行われるようになり、間口が広がったことにより競技人口も増加。そして野球やサッカーのようなプロスポーツ選手に子どもたちが憧れるように、eスポーツ選手も子どもにとっての憧れの存在になってきており、時代の変化を感じていると語った。

 あわせて、国内のゲーミングギア市場も好調に推移していることも説明。新型コロナの流行による巣ごもり需要がきっかけとしつつも、以降も順調に拡大しており、2023年には、新型コロナの流行前から比べるとゲーミングモニターは約6.5倍、ゲーミングヘッドセットは約2.5倍の成長を、ソニーでは予測しているという。

国内におけるゲーム愛好者
国内におけるゲーム愛好者
国内ゲーミングギア市場の動向
国内ゲーミングギア市場の動向

 また、ソニーが行った調査では、国内PCゲーマーがプレイしているジャンルは、国内で根強い人気のRPGや、eスポーツに代表されるシューティングゲームが多く、INZONEと相性がいいゲーミングジャンルであるとのこと。加えてゲーミングギア領域へにおけるソニー参入の期待値も高いという。大きなeスポーツのトレンドと、ソニーへの期待の高さを背景に参入を決めたとしている。

国内のPCゲーム人気ジャンルと期待するブランド
国内のPCゲーム人気ジャンルと期待するブランド

 今回投入するゲーミングモニターとゲーミングヘッドホンは、テレビ「ブラビア」で培った高画質技術や音楽用ヘッドホンで培った立体音響技術などを活用して開発したことを説明し、一瞬のような短い時間間隔での勝負を追求しているようなeスポーツプレーヤーは、こだわりのギアを好む傾向があるため、まずはプレミアムな商品を展開していくと語った。

INZONEの特長
INZONEの特長

 ソニーマーケティング ゲーム事業推進室 プロダクトマネージャーの福村祐太郎氏からは、製品に関する特長を説明。ゲーミングモニターについては、用意された2モデルとも、サイズは27インチ。色域の広さや直下型LED部分駆動(INZONE M9のみ)、10.7億色表示の色震度といった高画質技術、高リフレッシュレートや応答速度1ms、VRR(可変リフレッシュレート)対応といった滑らかな映像表現を特長特徴としている。

ゲーミングモニターの高画質技術
ゲーミングモニターの高画質技術
ゲーミングモニターの滑らかな映像表現
ゲーミングモニターの滑らかな映像表現

 本体についても、三脚式スタンドを採用。これは一般的に、モニターとキーボードは平行して設置しているが、キーボードを斜めに置いてプレイするゲーマーならではの配置にも対応したものという。

ゲーミングモニターの本体
ゲーミングモニターの本体
三脚式スタンドで、キーボードの斜め置きにも対応
三脚式スタンドで、キーボードの斜め置きにも対応

 ゲーミングヘッドホンについては、ソフトウェアとハードウェアの両面で特徴を施し、「360 Spatial Sound for Gaming」により、立体音響バーチャライザーに加え、立体音響の個人最適化に対応。またゲーム向けに最適化された音響技術も搭載。さらにPCゲーマーはゲームプレイを長時間する傾向があり、それをサポートする装着快適性もこだわっているという。

ゲーミングヘッドホンの立体音響技術
ゲーミングヘッドホンの立体音響技術
ゲーミングヘッドホンの装着快適性
ゲーミングヘッドホンの装着快適性

 最上位モデルのINZONE H9では、1000Xシリーズで活用しているデュアルノイズセンサーテクノロジーを用いたノイズキャンセリング機能とアンビエントサウンドモード(外音取り込み)も搭載している。

INZONE H9のノイズキャンセリング機能
INZONE H9のノイズキャンセリング機能

 今後の展開で、モニターとヘッドホン以外周辺機器の投入について、麥谷氏は回答を控えるとしたものの、今回はソニーとして民生機器で培っていた強みのある分野に、技術と知見を投入して製品開発をしたものと説明。先々については事業の可能性を考えながら検討したいとコメントした。

 なお、国際的な対戦ゲーム大会として知られる「Evolution Championship Series」(EVO)をはじめとしたeスポーツリーグとのスポンサー契約や、「ELDEN RING」と「ファイナルファンタジーXIV」の推奨認定機器となったことを発表。また、7月8日には、ソニーストア銀座にて発売記念イベントを開催予定。エナジードリンク「ZONe」とのコラボキャンペーンを展開。これらを通じてブランドや製品の周知を図るとしている。

eスポーツ大会とスポンサーシップ契約
eスポーツ大会とスポンサーシップ契約
ゲームタイトル推奨認定機器
ゲームタイトル推奨認定機器
発売記念イベント
発売記念イベント
キャンペーン展開
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