Teslaの最高経営責任者(CEO)のElon Musk氏は6月初旬に、経済について抱いている「極めて悪い感覚」を根拠に、スタッフを10%削減する必要があると幹部らに語ったと伝えられている。そして今回、同社内で人員削減が進められる中で、対象となっている部署を明らかにする報道が新たに浮上した。
Bloombergはこの件に詳しい者の話として、Teslaがオートパイロットチーム従業員約200人を解雇したと報じた。また、ElectrekおよびReutersの記事も、カリフォルニア州サンマテオの事業所で勤務していたが解雇されたTesla従業員のLinkedIn投稿を取り上げており、この報道を裏付けている。Bloombergによると、解雇されたのは時間給の従業員が多く、主に月給制の従業員を削減し時間給の仕事を増やすとしていた以前の同社からの声明とは相違がある。
Bloombergの情報源の1人は、今回解雇された従業員の多くは「データアノテーションスペシャリスト」だったと証言している。これはTeslaの顧客の車両から届くデータを、ニューラルネットワークに送る前にラベリングする業務を指すとみられる。これは、Teslaの「オートパイロット」および「フルセルフドライビング」ベータ版の運転支援機能における物体検知を向上させるためのものだ。Teslaには、ニューヨーク州バッファローにも別のデータラベリングチームがあり、Bloombergの情報源によると、バッファローのチームの方がサンマテオのチームよりも時給が低いとのことだ。
この人員削減は、Teslaがニューラルネットワーク向けにデータを処理する能力に非常に大きな影響を与える可能性があるが、これを相殺する自動化ソリューションがTeslaにはあるのかもしれない。Electrekは2021年末、Teslaで人工知能(AI)およびコンピュータービジョン部門を率いる人物によるツイートを取り上げている。このツイートは、前述のような従業員が行っていたアノテーションが可能な自動ラベリングツールの開発にTeslaが取り組んでいるという内容だった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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