人気のソーシャル動画アプリTikTokは米国時間6月18日、米国ユーザーのデータセキュリティに関して懸念を払拭するべく新たな措置を講じた。TikTokは米国ユーザーデータの保管場所を変更し「米国のユーザートラフィック全てが『Oracle Cloud Infrastructure』に送られている」とブログで発表した。
TikTokは、米国民のユーザーデータを中国政府に提供している可能性があるとして、以前から国家安全保障上の懸念をめぐって批判を受けている。米国政府は、Donald Trump前大統領政権下の2020年、北京に拠点を置き、TikTokを運営している字節跳動(バイトダンス)に対してTikTokを売却するよう命じた。しかしJoe Biden米大統領の現政権は、売却命令を撤回した。
TikTokは、中国政府とユーザーデータの共有はしていないと繰り返し主張してきたが、Oracleをパートナーとすることで米国の国家安全保障に関する懸念を払拭しようと試みている。
これまでTikTokは米国のユーザーデータを米国に、バックアップをシンガポールに保管していた。同社は18日の発表で、これらのデータセンターはバックアップとして引き続き使用するが、「米国にあるOracleのクラウドサーバーに全てのデータを移管する」ことを明らかにした。また、最終的に米国ユーザーのプライベートデータを自社のデータセンターから削除していく計画だとも述べている。
このような対策が取られたとしても、データがどこに保存されているかではなく、米国のユーザーデータに誰がアクセスできるのかに関しては懸念が残っている。BuzzFeed Newsは17日、社内会議の音声がリークされたものを基に、「バイトダンスの中国で働く従業員が米国のTikTokユーザーに関する非公開データに繰り返しアクセスしてきた」と報じた。少なくとも2021年9月から2022年1月の間に中国のエンジニアが米国のユーザーデータにアクセスしていたという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」