欧州連合(EU)の欧州委員会は現地時間6月16日、偽情報の流布を食い止めるための規則を全面的に見直した改訂版を発表した。EUが強化したのは「偽情報に関する行動規範」(Code of Practice on Disinformation)で、この規範に署名しながら対策を講じなかった企業は、世界売上高の最大6%にあたる罰金を科せられることになる。大手テクノロジー企業では、Meta Platforms、Google、TikTok、Twitterなどがこの規範に署名している。
欧州委員会のVera Jourova氏とThierry Breton氏は記者会見で、今回の改訂はこれまであった欠点に対処するためのものだと語った。改訂された規範は、ディープフェイク動画、ボット、偽アカウントなどの「改ざん行為」を対象とするだけでなく、問題のあるコンテンツの配信者が広告収入を得られないようにすることで、偽情報の拡散に対する金銭的インセンティブを減らすことも狙っている。また、プラットフォーム各社に対し、偽情報を見分け、警告するためのユーザー向けのツールを改善するよう求めている。
EUが2018年に導入したこの規範は、法律の代わりとして制定されたもので、署名するかどうかは企業の任意だ。
この規範が導入されて以来、欧州のデジタル関連規則は変化しており、今では2022年4月に合意された「デジタルサービス法」(Digital Services Act:DSA)をはじめとする法律が、この規範の裏付けとなっている。DSAはデジタルプラットフォーム企業の責任を問うための法律で、偽情報に関する規範を企業が順守しているかどうか監視するEUの権限を強化する。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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