米連邦議会では、ここ数十年で最大規模となる反トラスト法改正に道を開く可能性もある法案について、超党派の議員グループが2022年夏の採決を目指して動いているが、大手IT各社はそれを阻止するために巨額の資金を投じているという。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間6月9日に報じた。
記事によると、Amazon、Meta Platforms、Googleなどテクノロジー業界の巨大企業を代弁する団体は2021年1月以降、反トラスト法案に反対する広告キャンペーンに少なくとも3640万ドル(約48億8000万円)を費やしたという。この反トラスト法案は、これらのプラットフォーム運営企業が自社の製品やサービスを競合他社より優遇することを禁じるものだ。
広告トラッキングサービスのAdImpactが収集したデータをWSJが分析したところ、5月1日以降、約1370万ドル(約18億円)にのぼる多額の広告費がテレビ広告とインターネット広告に投じられたという。これに対し、法案を支持するグループが費やした金額は約19万3000ドル(約2600万円)にとどまっているとWSJは伝えている。
記事によると、法案反対派による広告の出稿元は、大きく分けて業界団体と保守系の団体があるという。業界団体には、全米民生技術協会(CTA)やコンピューター情報産業協会(CCIA)などが挙げられており、Amazon、Googleの親会社であるAlphabet、「Facebook」を運営するMetaなどが会員に名を連ねている。保守派の団体には、Taxpayers Protection Alliance(納税者保護連合)やNetChoiceなどが含まれる。
こうした広告キャンペーンの背景として、議会では「American Innovation and Choice Online Act」(米国のイノベーションと選択のためのオンライン法)が2022年夏にも上院で採決に付されるとの見方が広がっている。この法案は、Amy Klobuchar氏(民主党、ミネソタ州選出)とChuck Grassley氏(共和党、アイオワ州選出)の両上院議員が2021年10月に共同で提出した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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