RendeverFitプラットフォームには、以下の3つの主要なモジュールが含まれる。
高齢者向けのエクサゲームは通常、医療やフィットネスの専門家の監督下で行われる。高齢者が相手の場合は、テクノロジーの導入の仕方が鍵だ、とRand氏は説明する。
「強風が吹き荒れる、起伏の激しい道から始めたら、否定的に反応するだろう」とRand氏。「したがって、重要なのは、ゲーム操作の負担を軽減するのに必要なツールを提供することだ。それは、無理のないペース設定かもしれないし、ヘッドセットを装着するタイミングを教えてあげることかもしれない。あるいは、視点が常に前方を向いているか確認することかもしれない」
VRでは酔ってしまうことも珍しくないので、高齢者には2Dから始めて、3Dに進むことで、RendeverFitヘッドセットの使用に徐々に慣れていってもらっている、とRand氏は語った。
Pacific Brain Health Centerでは、多くの患者が「サイバーサイクル」から始めている。サイバーサイクルとは、ハンドルで操縦するインタラクティブな画面を搭載したエアロバイクだ。そこから、VRゴーグルを装着した状態で使用するトレッドミルに進む患者もいる。ウエストストラップで固定して動きを安定させ、足取りをカメラで分析する、というものだ。
「重要なのは、どれが適切なのかを判断することだ」(Glatt氏)
顧客へ直販する市場も存在するVRエクサゲーミングだが、まだ一般の人々には普及していない。例えば、「Meta Quest II」(旧Oculus)は先頃、ようやく入手しやすい価格(約299ドルから)になったばかりだ。
エクサゲーミングがメジャーになるには、新しい「Apple Watch」のようにウェルネス機能を前面に押し出せば、一般の人々に普及する可能性もある、とGlatt氏は述べた。
より多くの研究が実施され、高齢者向けの臨床エクサゲーム開発が継続されれば、VRエクサゲーミングを家庭やリハビリ環境、ナーシングホームで使用する人が増える可能性は高い。Glatt氏によると、エクサゲームの没入性は高まる見通しで、スマートフォンアプリとして利用できるものも出てくるだろうという。
「エクサゲームが私たちの脳と体に良い影響を及ぼすことは、研究によって徐々に証明されつつある。それこそが、こうしたニッチなテクノロジーの『キラーアプリ』と言ってもいいだろう」(Glatt氏)
最終的に米国食品医薬品局(FDA)の承認を得られれば、VRエクサゲーミングはアルツハイマー病やそのほかの認知症の治療法とみなされるようになる可能性もある、とGlatt氏は述べている。
「高齢者のため、私はそうした未来に貢献したい」とGlatt氏。「記憶力に問題がある人がいたら、ビデオゲームの処方箋を書いてあげられるようになってほしい」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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