「Web3」とは何か?--漠然とした「次世代インターネット」の概念を読み解く - (page 3)

Daniel Van Boom (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年05月27日 07時30分

Web3にマイナス点はあるか

 この質問への答えは、たずねる相手によって違う。多くの人は、FacebookやTwitterのようなプラットフォームへの参加をトークン化すると、エンゲージメントに対する有害なインセンティブが発生すると考えている。Elon Musk氏のように、Web3の存在自体を疑問視する人々もいる。TeslaとSpaceXの創業者であるMusk氏は、Web3を「現時点では現実というよりマーケティングの流行語」と切り捨てた

 哲学的な意見の相違だけでなく、そもそも真のWeb3は実際のところ、技術的に実現可能なのかもはっきりしない部分があるとの見方もある。懐疑派は、Web3の支持者たちの言う理想郷の実現には、支持者たちが批判してきた中央集権的な管理が必要だと述べる。

 Web3の重要なインフラになると言われるブロックチェーンプラットフォームのイーサリアムは、効率が悪いことで有名だ。取引コストがかさみ、エネルギー集約度も高い。効率化アプリを使うとか、「Solana」のようなカーボンニュートラルなブロックチェーンを採用するといった解決策も模索されてはいるが、あらゆる活動にブロックチェーンを普及させることは技術的に難しさがあると考える人もいる

 「コンピュートの点から言うと、ブロックチェーンネットワークはスケーラビリティがない。唯一の解決策は、それが置き換えようとしている金権政治的で中央集権的なシステムになることだ」と、プログラマーのStephen Diehl氏は2021年12月に述べた。「ブロックチェーンソリューションは、中央集権型のソリューションと比べて維持コストが非常に高い。中央集権型のソリューションは、データをネットワーク上で物理的かつ効率的に顧客に提供できるため、常に有利だ」

 Web3が実現する分散化の経済性にも懸念がある。大手ベンチャーキャピタルはすでにWeb3の技術に巨額の投資を行っている。Twitterの共同創業者Jack Dorsey氏らは、結局はこうした巨大企業が業界を支配すると予測する。

 「表のラベルが変わるだけで、Web3も中央集権型のエンティティにすぎない」とDorsey氏は12月にツイートした。「自分たちがどこに向かっているのかを理解すべきだ」(Dorsey氏)

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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